日本ロレアルのリサーチ&イノベーションセンターは、化粧品業界で初めて毛髪データを音に変換することに成功し、第29回国際化粧品技術者大会で最も優れた基礎研究に与えられる「IFSCC基礎研究賞」を受賞した。
受賞した研究は、同センターの研究員らによる「ソニフィケーション:髪の表面状態を音楽に変換して表現する方法」で、最先端技術を駆使した音楽制作を行う、エル・プロデュースとの共同研究だ。
同研究は、毛髪表面の摩擦の微細な変化を高感度センサーで感知し、可聴化することに成功。医療分野ではがん治療などにおいて患者自身の血流を音楽で表現し、痛みを和らげるなどに採用されているが、化粧品業界においては初の試みとなる。
日本ロレアルでは、新しい消費者体験を提供するツールとして、2017年から同技術を採用した機器をヘアサロンで展開する。音楽を通して施術前の毛髪状態を5段階評価し、トリートメントなどの施術後の修復効果を音で表現することで消費者の感性に応える。今後、肌状態やメイクアップなどへの活用や、新製品の効能効果を訴求する際のプロモーションなどに活用する予定。