「ドルチェ&ガッバーナ」は、ミラノの旗艦店から従業員引き抜きの被害に遭ったことなどを理由に、ドイツ人デザイナーのフィリップ・プレインによる同名のブランドおよび企業を相手取り、訴えを起こしていたことが明らかになった。フィリップ・プレインが12月11日、自身のインスタグラムにコメントを投稿したことで明らかになった。
訴状などによるとフィリップ・プレインは10月の中旬ごろから、年内オープン予定のショールームで働いてもらうため、過去「ドルチェ & ガッバーナ」で働いていた従業員2人にアプローチ。これを受け「ドルチェ&ガッバーナ」は11月30日、フィリップ・プレインに対し、ミラノのスピガ通りにある旗艦店のスタッフはいずれもベテランで多くの顧客を抱えており、「ブランドへの愛にあふれ、売り上げにおいても重要な存在」と話し、彼らにアプローチしないよう要請した。フィリップ・プレインはスピガ通りにほど近いコルソ・ヴェネチアにショールームを構えようとしている。「ドルチェ&ガッバーナ」は、スピガ通りで働く従業員のうち、約10人がフィリップ・プレインから誘いを受けたと主張する。
これに対してフィリップ・プレインは、「イタリアは、だれもが職業を選べる自由の国」と主張。「もし今の仕事に満足しているのなら、(僕の誘いを受けて)退職することなんて考えないはずだ」と続ける。フィリップは特にブランドを立ち上げて間もないころは、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナのクリエイションに大きな影響を受けていたからこそショックだと語り、だれにも謝るつもりはない、と全面的に争う構えを見せている。