読売新聞東京本社は、三越伊勢丹ホールディングスが30%保有していたプランタン銀座の株式を12月末に取得し、完全子会社にすると発表した。取得金額は非公開。プランタン銀座は仏プランタン社との商号・商標契約終了に伴い、2017年1月1日から社名を「株式会社マロニエゲート」に、本館の屋号を「マロニエゲート2」、アネックス館の屋号を「マロニエゲート3」に改めることが公表されていたが、資本体制も一新することになる。同日付で三越伊勢丹HD出身の笹岡寛・社長が顧問に退き、読売新聞東京本社の木村透・総務局総務が新社長に就く。
読売新聞社はプランタン銀座および隣接する商業施設「マロニエゲート」の土地・建物のオーナー。1984年にダイエーによって開業したプランタン銀座は80~90年代には“OLの聖地”と呼ばれて人気を博した。ダイエーの経営破たん後の2002年以降は、読売新聞社と三越(現三越伊勢丹ホールディングス)の傘下で運営されてきた。社長は小売り経験を持つ三越伊勢丹ホールディングスの出身者が歴任してきた。13日に会見した木村透・次期社長は「三越伊勢丹との資本関係はなくなるが、助言をもらうなどの協力関係は続けていく」と話す。
既存のマロニエゲート(来年「マロニエゲート1」に改称)はプロパティマネジメント事業を手掛ける三菱地所が運営し、テナントと定期借家契約を結んでいる。プランタン銀座は百貨店と同様にブランド側と消化仕入れ契約を結んできたが、「マロニエゲート2・3」は新会社マロニエゲートが運営し、一部を除き定期借家契約に変える。新体制移行に伴い、10月には早期希望退職者の募集を実施した。現社員の約140人のうち来年2月末までに約100人が同社を去る。