パントン・カラー・インスティテュート・ジャパンと「パントン(PANTONE)」の日本代理店を務めるユナイテッド・カラー・システムズは12月15日、「カラー・オブ・ザ・イヤー2017」の発表会を行った。
17年のトレンドカラーは、「15-0343 Greenery(グリーナリー)」。フレッシュでキリッとした爽やかさのあるイエローグリーンだ。みずみずしく生い茂る青葉など、自然の風景を連想させる同カラーのメッセージは、「深呼吸、新鮮な酸素、再生活性化」。リアトリス・アイズマン(Leatrice Eiseman)=エグゼクティブ・ディレクターは「グリーナリーは、生命力を感じさせるグリーンと、喜びや明るさを表現するイエローが混ざり、元気づけしつつ安心させてくれる色だ」と説明。
毎年トレンドカラーの選定には、ファッションやインテリアの他、飲食や映画、アート、デジタル、車など、さまざまな業界のトレンドを分析する。色のトレンド予報士でもあるアイズマン=エグゼクティブ・ディレクターは毎年、特に高級車からヒントを得ているという。「高級車ブランドはかなり早い段階から消費者の趣向や世間全体のトレンドを徹底的に分析し、調査するため、新型車のカラーはトレンドになりやすい。今年は『メルセデス ベンツ(MERCEDES BENZ)』がイエローグリーンの車を発表し、ヒットすると感じた」とコメント。「映画やエンターテインメントにも毎年注目している。トレンド予測のためには、翌年リリースされる映画や続編を必ずチェックする。今年はベネディクト・カンバーバッチ(Benedict Cumberbatch)主演の『ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)』で彼がグリーンのペンダントを着用しているのも大きな例だ」と続けた。さらに、コールドプレスジュースなど、ヘルシー志向が高まるフード業界からもグリーンカラーのトレンドを感じたという。ビンテージなど、リユース市場も活発化する中、自然保護への関心の拡大もグリーンに反映されている。
ファッションでは、「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「トム ブラウン ニューヨーク(THOM BROWNE. NEW YORK)」など、多くのブランドの2017年春夏コレクションにイエローグリーンが登場した。パントン社が毎シーズン世界中のファッションショーを分析し、最も多く使用されたカラーTOP10を集めた「パントン ファッション カラー レポート」でも、17年春夏はグリーナリーがランクインしていた。