ファッション

三陽商会がNYで「100年コート」展示会 知名度アップに手応え

 三陽商会は、海外で初となる「100年コート」の展示会を12月9日から13日までニューヨークのhpgrpギャラリーで開いた。「100年コート」の米国での知名度アップを目的に小売店関係者はもちろん、一般の消費者にも展示会を開放した。「100年コート」は14年からNYを中心に一部百貨店で販売を始めているが、今後はロサンゼルスやシカゴの見本市にも出店し、取扱店を全米に広げる。

 NYの展示会には5日間で約100人が来場するとともに、インスタレーションの展示がメーンだったにもかかわらず来場者の要望に応えて急きょ計4点を販売した。三陽商会ニューヨークの江﨑雅巳・社長は「バーニーズニューヨークのバイヤーが自分用に購入してくれた。ふだんNYのトレードショーの商談では(バイヤーから)『5分でプレゼンを』と言われるほどの短時間勝負になってしまうが、今回はじっくり商品について説明することができた」と話す。

 現在、サックスフィフスアベニューやノードストロームの紳士フロアで取り扱いがあるほか、米国内の地域一番店の専門店などではトランクショーも少しずつ始めているが、展示会での手応えを受けて「今後はポップアップショップなど消費者に直接紹介できる機会を増やしたい」とも語る。

 「100年コート」はコート専業メーカーとして創業した同社が、孫の代まで愛用してもらえる一品を目指すプロジェクトとして13年にスタートした。日本では会員登録することで、修理や付属品、裏地の取り換えなどができる体制(有償サービス)を整えている。現在までに2000人以上が登録した。使い捨てのファストファッションと対極の取り組みとして、メディアでの紹介も多い。だが、米国ではまだ「100年コート」の英語版サイトでの商品説明にとどまっている。今後は米国でも同様の体制作りにも取り組み、消費者との接点を増やす。

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