デンマークを代表する建築家兼デザイナーのフィン・ユール(FIN JUHL)の家具をそろえた世界初のホテルが12月、長野県・白馬に完成した。ユールは1950年代、ニューヨークの国連本部ビルの会議場をデザイン。北欧家具の巨匠と言われる存在だ。彼がデザインした家具を製造するデンマークのワンコレクション(ONECOLLECTION)が、築40年のペンションを改装。世界初のユールのホテルとしてハウス・オブ・フィン・ユール白馬(以下、ユール白馬)をオープンした。運営は、日本国内でユールの家具製造をするワンプロダクション(ONEPRODUCTION)が担う。デンマーク人にはあまりなじみのない日本におけるスキーやハイキングといった山岳レジャーをこのホテルを通して紹介し、来日を促すとともに、日本人にはユールの家具を体験できる空間を提供するのが目的だ。
ホテル内の家具は、ベッドと照明以外は全てユールがデザインした「ワンコレクション」。デンマークと日本のデザインが融合した、落ち着いた空間になっている。同ホテルの客室は6室で、ラウンジやバー、ダイニングのほか、スキーの乾燥室から構成されており、「ワンコレクション」のショールームを併設。各部屋ごとに異なる家具が配置され、“チーフテン(CHIEFTAIN)”や“ペリカン(PELICAN)”など家具名を部屋の名前にした。華美ではないが、デンマークの家にいるような感覚の内装が特徴だ。
ベッドは、マットレス専門のメーカーとして創業した「ゲタマ(GETAMA)」、照明は「ルイスポールセン(LOUIS POULSEN)」や「パンダル(PANDUL)」、タオルやリネンは創業250年以上のデンマーク王室ご用達の「ジョージ・ジェンセン・ダマスク(GEORG JENSEN DAMASK)」、カトラリーは「カイ・ボイスン(KAY BOJESEN)」とデンマーク・デザインにこだわっている。シャンプーやソープなどのアメニティーは日本の自然派コスメブランド「マークスアンドウェブ(MARKS&WEB)」。
宿泊料金はハイシーズン(11月~3月)で4万円(定員2人、1人の場合は3万2000円)、ローシーズン(4月~10月)で3万円(定員2人、1人の場合は2万4000円)。料金には朝食および、滞在中のフリードリンクが含まれる。フリードリンクで提供されるワインや日本酒、フレッシュジュースは地元長野産、ビールは白馬の地ビールとこだわった。
白馬は北海道ニセコ町に次ぐ、外国人に人気のスキーリゾートになりつつあり、今後の開発が注目される。