「リムアーク」の2017年春夏ビジュアルの撮影風景
現在15ブランドを保有し、年間売上高約688億円を誇るバロックジャパンリミテッド(以下、バロック)。アジアを中心とした海外展開にも力を入れ、店舗数は2016年11月時点で国内361店舗、海外186店舗に及ぶ。
16年は東証一部上場、「マウジー」と「エンフォルド」のニューヨーク進出など新たなるステージに向けて、積極的な手を打った1年でもあった。17年以降もさらに事業領域と規模を広げるべく、社内外から幅広く人材を募集する。
17年のスローガンは「モノ作りの強化」。村井博之バロックジャパンリミテッド社長は、「創業の原点に立ち返り、ブランドの存在意義を見直す」考えだ。また、海外事業の拡大や現地企画を拡充する一方、「日本のバロックはクリエイティブ拠点としてアパレルの枠組みを超えた事業を展開していきたい」と、新規事業にも積極投資する考えで、「社内外からの良い提案に対して当社が投資し育成していくモデルを構築したい」という。
唯一の条件は、企業理念でもある「挑戦」ができる人物であることだ。ここではバロックの成長ブランドの要として、「挑戦」を続ける植田みずき「エンフォルド(ENFOLD)」クリエイティブ・ディレクター、清水和真「マウジー(MOUSSY)」事業部 MDグループ シニアマネジャー、中村真里「リムアーク(RIM.ARK)」ディレクターの3人を紹介する。
求人内容
募集職種
各ブランドショップスタッフ、デザイナー、グラフィックデザイナー、パタンナー、マーチャンダイザー、VMD、プレス、ECサイト運営、海外営業、管理部門
勤務地
東京本社
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植田みずきが語るバロックの社風
植田みずき「エンフォルド」クリエイティブ・ディレクター。1980年生まれ。2000年、バロックジャパンリミテッドの前身となるフェイクデリックで「マウジー」の設立に携わる。デザイナー兼渋谷店の店長を経て、03年に「スライ」立ち上げ。結婚・出産を経て、12年に「エンフォルド」を設立
植田みずき「エンフォルド」クリエイティブ・ディレクターは、販売員を経て、創業メンバーの一人として2000年に「マウジー」設立に携わり、03年に「スライ(SLY)」立ち上げを経て、12年に「エンフォルド」を設立した。
「エンフォルド」のターゲットは、ファッション経験を積んだ大人の女性。「クリエイションの部分に関しては、バロックで育ってきた人材でチャレンジしたかったし、自信もあった。けれども、パターンにも相当こだわったり、使う素材も縫製工場も販路も価格帯も、これまでに経験したことのないゾーンへの挑戦だったので、プロのサポートが必要だと考えた。そこで、私ともう一人のデザイナー以外は、外部から採用した人材で立ち上げた。学ぶことも多かったし、彼らに入ってもらえたことはすごく大きかった」と植田クリエイティブ・ディレクターは振り返る。
実はブランド立ち上げを構想していたのは、2人目を妊娠していた時期。出産後2カ月で復帰し準備に入った。現在は男児3人の母になっている。「企画チームとしてはすごく働きやすい。環境は恵まれている」。一方で、クリエイティブ面を担う幹部として、オフィス環境の改善なども進言しているという。「ここ数年は上場に向けて、会社のシステムを整えることに特化してきた。ここからはあらためて企画人材を育てていかなくてはいけないと思うし、経営陣も同じように考えている。今後は環境もどんどん変化していくと思うのでこれからが楽しみ」と語る。
「新しいことをやってみたいならやってみればいいよという空気は常にあったし、その社風は今も変わらない」と言うが、一方で変化した部分もある。「私たちが20代のころはまだ会社の規模も小さかったので、自分たちでシステムから作っていく難しさと面白さがあった。今は基盤は安定しているが、会社が大きくなった分、目立たなきゃいけない難しさがある。それを突破して夢をかなえるには、やりたいことを熱意を持って会社に伝えることと、自分が臨んだことに対してきちんと結果を出すことが大事。それを受け入れてくれる土壌はあるので、どんどん挑戦してほしい」。
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ヒット商品が生まれる背景
清水和真「マウジー」事業部 MDグループ シニアマネジャー。1982年生まれ。日本人デザイナーによるコレクションブランド、大手アパレルのメンズ事業部で生産管理のキャリアを積んだ後、2010年にバロックジャパンリミテッド入社。「アズール バイ マウジー」のメンズ商品の生産や企画構成「マウジー」の生産管理を経て、14年1月から「マウジー」MDを担当
清水和真「マウジー」事業部 MDグループ シニアマネジャーは、服飾の専門学校を卒業後、コレクションブランドの生産管理でキャリアを積んだ後、大手アパレルのメンズ事業部で生産管理を担当。そこで培った知識や人脈を元に、2010年12月にバロックに入社した。
「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」のメンズ商品の生産や企画構成を担当後、「会社の看板アイテム」である「マウジー」のデニムの生産・企画開発をやりたいと手を挙げて実現した。さらに、「マウジー」が外部クリエイターなどとの協業をスタートした際、モノ作りから商品構成を一貫して手掛ける人材として、MDに抜てきされた。「MDの面白さは自分の仕掛けた戦略が当たることで、お客さまや取引先に喜んでもらい、売り上げに貢献できること。前年を振り返り、構成を分解し、戦略を組み立て、商品構成を考える。大切なのはチームの共感を得て『よし、やろう!』と一致団結することだ」と清水シニアマネジャーは話す。
最近の仕掛けから生まれたヒット商品は、16年9月に発売したデニムパンツ「リバーススキニー」だ。「スタイルアップをかなえるデニムを作るために、生地の伸縮性にこだわり、生地からオリジナルで開発した」。初回投入の2000本は2週間で完売。毎月リピートするが2~3週間で欠品するほどだ。
「今後は世界に向けた発信を強化したい。海外でも『マウジー』のデニムは高く評価されている。特にメンズはお客さまからのリクエストも多いので、海外でしっかり価値を高め、認知度を根付かせ、逆輸入的に日本でも広めたら面白いかも」。世界に向けてチャレンジできるバロックを面白いと感じる人材にぜひ来てほしい、と清水シニアマネジャー。「服好きな子たちが服を買う側だけに回らず、作る側、発信する側に来てくれたら。自分はこうしたいという意志のある人たちの加入が、バロックや業界の刺激にもなるし、そういう人たちと一緒に働きたい」。
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販売スタッフのシンデレラ・ストーリー
中村真里「リムアーク」ディレクター。1990年生まれ。美容師を経て、2014年にシェルター博多阪急店の販売員として入社。同年4月にザ・シェルター
トーキョーに異動。15年、社内主催の「スター発掘コンテスト」でグランプリを受賞。16年3月に「リムアーク」を設立。ディレクターを務める
「リムアーク」は、2016年春にデビューした、バロックの中で最も急成長している新ブランドだ。ディレクターを務めるのは、バロックが15年から開催する、スタッフの夢をかなえるための「スター発掘コンテスト」の初回に優勝した中村真里さんだ。
まずはECのみで展開したが、スタイルカバーの機能力やシンプルなトレンド力が幅広い層に支持され、店舗販売も始めた。「商品をウェブ上で伝えるのに苦労した。丁寧に商品説明を書いて、素材感を伝えるなど工夫し、お客さまを増やすことができた。服はちょっとの丈感で印象が変わるし、店頭で見せたいという思いは強かった」。
今春には、単独店オープンも決定している。「バロックは経験に関係なく、チーム一丸で支え合う団結力が強い。私たちと同じ思いを持ってブランドを語れるスタッフと一緒にお店を作っていけたらすごくうれしい」。
「スター発掘コンテスト」では、ブランドを持ちたいという人だけでなく、ミュージシャンやアイドル、アーティストになりたいという人々も歓迎だと同社。夢をかなえるプラットフォーム企業としても注目を集めそうだ。