マーク・リー(Mark Lee)=バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)最高経営責任者(CEO)が同職を退く。彼はエグゼクティブ・チェアマンとして組織には残るものの、ダニエラ・ヴィターレ(Daniella Vitale)最高執行責任者(COO)がCEOに昇格し、陣頭指揮をとる。業界筋によると、デニス・フリードマン(Dennis Freedman)=クリエイティブ・ディレクターも現職を退くようだ。
リー前CEOは「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「ジル・サンダー(JIL SANDER)」を経て、2004年に「グッチ(GUCCI)」の社長兼CEOに就任。その後10年にバーニーズ ニューヨークのCEOに就任し、苦戦するビジネスの再建を図った。店舗の閉鎖を進めた他、新道ブランドを取り扱ったり、ディズニー(DISNEY)や「プラダ(PRADA)」、レディー・ガガ(Lady Gaga)など、多様なコラボを実施した。一方、ヴィターレ新CEOは「グッチ」「ジョルジオ アルマーニ」を経て10年にバーニーズ ニューヨークのチーフ・マーチャント兼エグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任し、13年にCOOに昇格した。
バーニーズ ニューヨークについては、オーナーのリチャード・ペリー(Richard Perry)が保有する株式の一部、もしくは全ての売却を検討中とウワサされている。ペリー=オーナーは昨年、コンサルタントを招へいしてバーニーズの時価総額を算出。ゴールドマン・サックス(GOLDMAN SAKS)を通じて株式の売却先を探しているようだ。これに対してバーニーズの首脳は最近、「われわれは黒字企業。ペリーはもはや経営において必須の存在ではなくなっている」と話していた。ペリーがオーナーを務める投資会社ペリー・キャピタル(PERRY CAPITAL)は12年、同じく投資会社のユカイパ(YUCAIPA)からバーニーズを取得している。
リーCEOの退任についてペリー=オーナーは、「バーニーズを取得した12年から、彼とは何度も話し合い、17年にはヴィターレをトップに据えると決めていた。リーのリーダーシップに感謝している」とのコメントを発表した。リーは一線を退き、アメリカ西海岸で余生を送りたい考えのようだ。
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