ビジネスガイド社は2月6~9日、「美と健康のすべてを極める4日間」をテーマに「第1回 東京インターナショナル プレミアムビューティー・ヘルスショー2017」を開催した。
これは、主にヘアサロンオーナー・マネージャーを対象に、新しい商品・経営支援策を提供することで、ビジネスマッチングの場にしてもらうことを目的とした展示会イベントだ。プロ向け美容用品を扱う55社が出展した他、ヘアサロンのカリスマ経営者集団「アジアビューティアカデミー(ABA)」とコラボレートし、理事会サロンである「ウカ(uka)」「ミンクス(MINX)」「カキモトアームズ(Kakimoto Arms)」などがヘアショーを披露した。
ここでは、同展示会イベントの出展社の傾向とインタビューから、今後のヘアサロンのメニュー・店販品のトレンドを考察する。出展で特徴的だったのは、口腔ケアを提案するブースが複数あったことだ。中でもシャリオンは、サロンに設置して、顧客に歯のホワイトニングを提案できる機器「ホワイトニングネット」のデモンストレーションで注目を集めていた。「お客さまにセルフでホワイトニングを行ってもらうため、スタッフにかかる負担は簡単な説明をするだけ。スペースもとらないので、小さなサロンでも導入できる。導入するヘアサロンは右肩上がりに増えていて、成功事例も多数出ている」と角田哲平・代表。今後サブメニューとして普及していくかどうかは、「安全性と効果を分かりやすく伝えていけるか」にかかっているだろう。
ワールドアソシエイツは、これまで主にエステサロン向けに販売していた“水素で顔を洗う”水素水フェイシャルマシン「ハイドロインパクト プラス」をヘアサロン向けに提案した。「水素は、ヘアサロンにとって新しいカテゴリー。5月には水素を使ったヘッドスパ機器を発売する予定なので、メニュー化の提案も含めて展開していきたい」と瀧澤周・代表は話す。
一方、ラグジュアリー美容機器の「ドクターアリーヴォ ザ ベガス」などを展示していたアーティスティック&シーオーは、今後さらに注目の企業だ。今春、現在の美容機器のラインアップを大リニューアルする予定だという。「リニューアルで目指すのは“美容機器のエルメス”。高価格だが高性能で、『なかなか手が出ないけどいつかは買いたい』美容機器として認知度を高めていきたい」と近藤英樹CEO。ヘアサロンは、価格に関わらず“良い物は売れる”市場。2020年に向けて富裕層のインバウンド客の増加が予想されることもあり、大いに業界を賑わせそうだ。
今後のヘアサロン市場では、「口腔ケア」「水素」「ラグジュアリー美容機器」をキーワードに、メニュー・店販がさらなる進化を見せそうだ。
なお2月8~10日の期間は、2597社が出展した日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「第83回 東京インターナショナル・ギフト・ショー春2017」が同時開催された。つまり、プロ向け美容用品を扱う見本市と、一般流通小売業界に向けた見本市が同会場で開催されたということ。「プレミアムビューティー・ヘルスショー」の出展者が「ヘアサロン関係者だけでなく、バラエティーショップのバイヤーなど、実に多様な人たちがブースに来てくれた」と話しているように、新たなビジネスマッチングの芽が生まれたようだ。