オンワードホールディングスと動画配信サービスの「C CHANNEL(シーチャンネル)」は、EC専門のアパレルブランド「トゥーフェイシーズ(TWO FACES)」を3月15日にスタートする。
ブランドは「東京リアル」をコンセプトに、「C CHANNEL」が抱えるインフルエンサー約500人の女性のリアルな声を反映し、モノ作りに生かす。多くの商品は2~4通りに着こなしが可能で、20~30代の女性がオフィスでも、仕事後の女子会でも着用できるウエアを提案する。表地はシンプルな黒、裏地はレース地で、裏返して着用できるドレスや、背中のファスナーを開くとプリーツが出るワンピースなど、デザインが早変わりするのがポイントだ。ブランド名は、その昼でも夜でも活躍する多面性と、数通りの着こなしができる2ウエイなどを意味する“2つの顔(Two Faces)”に由来する。
商品企画には、両社から20代の若手女性社員を起用。オンワード樫山から企画とMDが2人、「C CHANNEL」からは動画インフルエンサーの社員2人が参加した。
価格帯はコート6900~1万900円、ジャケット5900~7900円、ワンピース5900~7900円、ボトムス4900~6900円、トップス2900~5900円、アクセサリー1900~3900円など。百貨店を主販路にするオンワードの既存ブランドと比べ、販管費がかからない分、低価格に設定している。生産体制はOEM(相手先ブランドの生産)を中心にすることで、オンワードの百貨店ブランドが企画から生産、販売までのリードタイムに約6カ月を要するのに対し、約2カ月での投入ができるようにした。
販路はオンラインのみ。「C CHANNEL」自社ECの「シーチャン ショッピング(CCHAN SHOPPING)」、オンワードHDの「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」で行う。また、商品販売する際には、オリジナルの動画コンテンツも配信する。売り上げ目標は非公開。
オンワードHDの保元道宣・社長は、異業種コラボの狙いについて「百貨店を主販路にする当社の婦人服ブランドはメーンターゲットが30~50代。「C CHANNEL」のもつネットワークで、われわれの接点がなかった10代の女性までをも取り込みたい。まずは日本の女性、アジアの女性、そして世界の女性へと商品を提供していきたい」。
「C CHANNEL」は、昨年12月に動画コマース(オンラインのテレビ通販)をスタートした。森川亮・社長は「動画のトレンドが進み、特に中国では“インフルエンサー発のファッションブランド”にとても人気がある。これまでもオリジナルのバッグやシューズなど販売してきたが、今回オンワードというブランド企業と取り組むことで、より魅力的な商品開発していきたい」と話す。
「C CHANNEL」は15年4月に開設した女性のライフスタイルに特化した動画配信サイト。LINEの社長としてSNSで実績を残してきた森川社長が「動画のファッション雑誌」をコンセプトにスタート。“クリッパーズ”と呼ばれる独自のインフルエンサーが動画に登場するのが特徴だ。15年7月にはKADOKAWAや講談社、集英社などの出版社6社と共同でファッション誌の動画配信を開始。16年12月から動画コマースを始めている。現在、日本の他、中国や韓国など9ヵ国で配信し、月約6億6000万回の再生回数を誇る。
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