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三越千葉店が本日閉店、高齢者に愛された地域密着百貨店

 三越千葉店が20日夜、33年間の営業にピリオドを打った。最終日の今日は開店前に550人が列をなした。同店は1984年に「千葉三越」の屋号で営業を開始。ピーク時の91年度には507億円の年商があったが、近年は93年に移転・大型化したそごう千葉店や郊外型ショッピングセンターなどに客が流れ、2015年度の年商は126億円だった。

  1月17日からスタートした閉店セールは好調で、北條司・三越千葉店長によると「ここ数年は1日約7000人と来店者数も減っていたが、3月に入ってからは約1万2000~1万3000人、先週は約2万人の方が毎日来られていた」いう。3月1日から20日までの売り上げは前年比の約3倍を記録した。

 同店の前身である「ニューナラヤ」時代から30年以上にわたり通っていたという70代女性は「ゆっくり買い物ができるので三越を愛用していた。私たちにとっては“遊びに来られる場所”という感覚だった。買い物をしなくてもゆっくり楽しめるのが魅力だったから、なくなるのは本当に残念」と話す。40年以上通っていたという台湾出身の70代女性は、「数日前にも来て10万円以上の買い物をした。本当にしょっちゅう通っていたので寂しいし、なくなったら困る。三越で扱う服は高くても品質が良いので、台湾の家族にもよく送っていた」とコメント。60代の夫婦は「妻が『ニューナラヤ』時代にスカーフ売り場で働いていた。昔ながらのお店という感じで親しみがあった。時代の流れだと思うが寂しい」「父親が日本橋に勤めていたので、千葉に三越ができた時にはすごく嬉しかった。商品券やギフトなどを贈る時も三越の包装紙だと喜ばれた。赤いマークの包装紙は一種のステータスだった」と話した。

 北條店長は、閉店に至った背景について「赤字体質から脱却できなかったのが最大の理由。特に、5、6年前くらいからラグジュアリーブランドの数が減り、特選関係のブランドの落ち込みが顕著になった。それに伴い、お客さまの来店頻度も減り、売り上げがさらに減少した」と話す。2010年には特選の要であった「ルイ・ヴィトン」がそごう千葉店に移転するなど、ラグジュアリーブランドの品ぞろえでもそごうに大きな差をつけられた。閉店後はニーズが根強い学生服、ギフト(お中元・お歳暮など)、外商機能を近隣の小型店舗で残す。

 千葉駅エリアでは昨年11月に徒歩10分の千葉パルコが閉店。今回、徒歩5分の三越千葉店が閉まったことで、買い物客の流れが駅近くのそごう千葉店や今秋全面開業する駅ビル「ペリエ千葉」に集中することが予想される。

 三越伊勢丹ホールディングスは20日、三越多摩センター店も閉店した。

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