60カラットに迫る巨大ピンクダイヤモンド、通称「ピンク スター」が4日、香港で開かれたオークションで7120万ドル(約79億円)の値段で落札された。落札したのは、香港を拠点に宝飾を中心とするコングロマリットを形成する周大福(CHOW TAI FOOK)グループ。最後は競り合った2社に対して、電話越しに値段を釣り上げ、勝負を決めた。
「ピンクスター」は実は2014年、8320万ドル(約92億3500万円)の値段で落札されたことがあるが、この時落札者は資金繰りに行き詰まり、オークションは成立しなかった。今回、支払いは即座に完了。結果、これまででもっとも高値で取引されたダイヤモンドになった。
周大福グループはこれまで、マス向けジュエリーを中心に製造・販売してきたが、近年ハイジュエリーに力を注いでいる。15年には507.55カラットのダイヤの原石からネックレスを作成。10年には35.3カラットの石を3530万ドル(39億1800万円)で落札し、3年の月日をかけてカッティングを研究、分割し販売した。「ピンク スター」については、「カットするとピンク色が薄くなる」と、分割することを惜しむ声が上がっている。
周大福グループはラオックス(LAOX)内で日本でもジュエリーの販売を開始したばかり。