オンワードホールディングスの2017年2月期決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比11.3%増の42億円だった。売上高は同7.1%減の2449億円に落ち込んだが、不採算ブランド・店舗の整理によって収益性が改善した。全社的に進めるオムニチャネル戦略によって、EC売上高が同25.9%増の150億円になったことも利益に貢献した。銀座と大阪の不動産売却などによる特別利益99億円を計上したため、純利益は同10.9%増の47億円になった。
売上高はアパレルの国内主力子会社に加え、物流子会社アクロストランスポートの事業譲渡で約80億円、為替換算レートの影響で約67億円が減収要因になった。中核子会社のオンワード樫山は、売上高が同4.9%減の1410億円、営業利益が同6.8%減の68億円だった。7~9月の秋物のプロパー販売がリアル店舗で苦戦したが、ECの伸びによって粗利益率は0.9ポイント改善した。主力ブランド「23区」の売上高は、リアル店舗が同1.9%減、ECが同32.4%増で計271億円(同1.4%増)と増収を達成した。海外事業は営業損失3億円を計上したものの、赤字幅は縮小している。
今期(18年2月期)の業績予想は売上高2393億円(前期比2.3%減)、営業利益57億円(同35.6%増)、純利益53億円(同11.7%増)。不採算ブランドの整理などの影響で、引き続き減収となるが、一連の事業構造改革の効果で収益性は高まるとみる。