GPS機器大手の米ガーミンが日本事業の拡大に乗り出す。4月1日付で日本法人ガーミンジャパンを設立。ランナー向けの高機能ウオッチとして知名度のあるスポーツ市場だけでなく、健康や美容、ファッションなど幅広い商品を拡販する。2020年には16年に比べて3倍の売り上げ規模を目指す。
ガーミンは設計開発から製造、販売までを自社で行う垂直統合経営をモットーに、1989年の創業以来、一貫して黒字経営を続ける。同社のナビゲーションシステムは、航空・船舶・自動車業界での厳しい基準をクリア。ベンツやBMWなど高級車にも搭載されている。その安全性、精度、耐久性はエンドユーザー向けの商品にも活用されている。ウェアラブル端末市場においては世界3位、スマートウオッチ市場では同2位のシェアを誇る。
日本での知名度アップのためブランドアンバサダーに任命されたのは、トライアスロンを趣味とする道端カレンだ。25日に行われた発表会に登場した道端は、今月開催の石垣島トライアスロン2017において総合2位を獲得。その際にも、腕にはガーミンの“フェニックス5S”が巻かれていた。「スイム、バイク、ランと3つの異なる競技を行うトライアスロンでは個々の種目のタイム、そしてトータルのタイムを計れるデバイスが必要で、これができるウェアラブル端末はガーミンだけなんです」と愛用の理由を語った。
「高まる健康志向のもと、今後はヘルス、医療の分野にも進出していきたい。ガーミンが貢献できる市場領域は、とても広い」とガーミンジャパンの岩田元樹コンスーマーディビジョン ダイレクター。20年の東京オリンピックに向け、ビジネス規模で前年比3倍を目指すという。