高島屋は4月27日、東京・新宿のタカシマヤ タイムズスクエア11階に「高島屋免税店 SHILLA&ANA」をオープンした。新宿エリア初の空港型市中免税店となる。中国を中心としたインバウンド(訪日外国人客)の需要が大きく変化したことを受け、同店は当初計画していたラグジュアリーブランドや時計などの高級品ではなく、化粧品や土産物といった消耗品に商品ラインアップをシフトしている。
「高級嗜好品については新宿高島屋の既存ショップを併用いただき、百貨店全体の買い回り率を高めたい」と高島屋広報担当。
ジャパンコスメの品ぞろえは市中免税店随一で、全36ブランドのうち26ブランドを占める。イベントスペースの設置やビューティーアドバイザーによるカウンセリング販売を通じて、顧客満足度の上昇を図る。
注目は占有率40%を占めるタックスフリーゾーンの存在だ。空港型市中免税店のデューティーフリーが商品の受け取りが帰りの空港になるのに対し、タックスフリーはその場で受け取ることができる。複数回の来日経験を持つ常連客向けに、「買ってすぐ使える便利さ」を提供する。例えば「ラオックス」は日本製の美容家電を中心に商品セレクトを行う。「マツモトキヨシ」は業態初となる自主編集を導入し、インバウンドに人気の商材を高島屋免税店 SHILLA&ANAが買い付けるかたちを取っている。
全日空商事、ホテル新羅との合弁会社を設立し、高島屋免税店 SHILLA&ANAを運営する木本茂・高島屋社長は「新宿エリアは訪日外国人客のポテンシャルが高く、肥沃なマーケットだと認識している。今回、豊富なノウハウとネットワークを持つ2社とアライアンスを組めたことは実に心強く、これからも変わり続けるインバウンドのリクエストに応えていきたい」と抱負を語った。
高速バスターミナル「バスタ」の開業以来、交通のハブとしてさらなる進化を遂げた新宿エリア。高島屋免税店 SHILLA&ANAは訪日外国人客を乗せた観光バスを1日に30台前後迎え入れ、年間で80万人の来店者を見込む。初年度の売上高目標は80億円、2020年には150億円への拡大を目指す。