アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)の身売りの噂を受けて、同社の株価が急上昇している。株価は時間外取引で15.31%上昇し、10日の午前7時18分には14.61ドル(約1636円)で売買された。広報担当者は「噂にはコメントしない」としている。
同社は過去3年間、業績不振に陥っており、「ホリスター(HOLLISTER)」のアンダーウエアライン「ギリーヒックス(GILLY HICKS)」は全28店舗をクローズ。「ホリスター」はリブランディングが奏功したものの、「アバクロンビー&フィッチ」は苦戦が続いている。同ブランドはターゲットをティーンからミレニアル世代にシフト。多種多様なスタイルを打ち出し、広告も従来のセクシーなイメージから方向転換したが、コア顧客には響かなかったようだ。
同社の2016年11月〜17年1月期決算は、売上高が前年同期比6.9%減の10億4000万ドル(約1164億8000万円)、純利益が同15.5%減の4880万ドル(約54億6560万円)と減収減益だった。ブランド別では「アバクロンビー&フィッチ」の既存店ベースの売上高は同11%減だったが、「ホリスター」は同1%増だった。