コンパニー フィナンシエール リシュモンの2017年度通期決算(17年3月まで)は、売上高が前期比3.9%減の106億5000万ユーロ(約1兆3100億円)、営業利益が同14%減の17億6400万ユーロ(約2170億円)、純利益が同46%減の12億1000万ユーロ(約1490億円)の減収減益だった。時計市場の低迷を受け、小売網や流通網をテコ入れするためのコストなどが利益を圧迫したようだ。同社は、「下半期はビジネスが好転、特に中国と米国は回復基調だ」としている。
好調だったのは、「クロエ(CHLOE)」や「モンブラン(MONTBLANC)」。一方「カルティエ(CARTIER)」は高額品の買い戻しなどにより、苦戦した。とはいえ、純利益の大幅減は、「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」と「ユークス(YOOX)」の統合に伴い、昨年計上した特別利益がなくなった影響も大きい。リシュモンはこうした影響を考慮すれば、純利益は前期比24%減程度だったとしている。
ヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長は、「市場は変革期に突入しており、先行きは不透明。現代の消費行動に応じて商品やコミュニケーション、流通などを改善することで、持続的な成長を目指したい。注力すべきは、商品開発とデジタル・マーケティング、オンラインセールス、そしてスタッフの教育だ」と話す。