ファセッタズム(FACETASM)は、IT企業ネクスグループのバーサタイルと資本提携契約を締結した。バーサタイルは、ファセッタズムの現在の親会社であるTOP MOVIE JAPANが保有する51%の株式を5月24日付で取得、商標権も取得する。今後はライセンスビジネスやファッション業界向けのIoT関連サービスの開発を行っていく。社長は引き続き、デザイナーの落合宏理が務める。
落合デザイナーは資本提携について「昨年LVMHプライズでファイナリストにノミネートされ、リオオリンピックの閉会式の衣装を手掛けるなど、ぐっとブランドの知名度が上がった。2017-18年秋冬での海外卸先はウィメンズとメンズを合わせて120件を超え、国内を加えると約190件に増えた。会社としての規模が大きくなり、今後のビジネスをグローバルに成長させていくためにも人材の強化の上で増資が必要だった。次のパリ・メンズ・コレクションへは新たなパートナーと共に新体制で臨みたい。また、(現在はパリ・メンズ期間中で海外展示会を行っているが)ウィメンズ・ウィークでもセールを強化したい」と説明する。
新たなパートナーにバーサタイルに決めた理由を「私たちのブランド理念を理解し、インディペンデント性を重要視してくれている。今後の世界に向けてブランドを発信していくため、バーサタイルの資本力の下、クオリティーの向上とスタッフの労働環境の改善を行っていきたい」と語る。
「ファセッタズム」は07-08年秋冬に落合宏理がスタートしたファッションブランド。12年春夏に初のランウエイショーを東京で開催。13年には毎日ファッション大賞の新人賞、16年には毎日ファッション大賞を受賞。また同年、LVMH ヤング ファッション デザイナープライズで日本人初のファイナリストにノミネートされた他、パリ・メンズ・ファッション・ウィークでコレクションを発表し始めた。現在、渋谷区神宮前の路面店と、表参道ヒルズに直営店舗を2店を構える。
バーサタイルは、通信機器メーカーのネクスグループのグループ会社でコンサルティングサービスや人材派遣紹介サービスを提供している。ネクスグループは4月、カジュアルウエアのシーズメンとの資本提携も行っている。