ファッション

ビンテージアロハの全てが新宿に集結 入場無料の展覧会

 アロハシャツブランド「サンサーフ(SUN SURF)」を展開する東洋エンタープライズ(東京都、小林亨一・社長)は、新宿にあるセレクトショップの「ジャンキースペシャル(JUNKY SPECIAL)」で「ヴィンテージアロハシャツ展~アロハシャツの歴史を紐解く~」を開催する。会期は6月3~25日の前期と7月1~17日の後期の2部制。展示するアロハシャツの入れ替えを行うという。

 同社は、世界的なビンテージアロハシャツのコレクターとしても知られる。今回の展覧会には、その最盛期である1930年代から50年代製のアイテムを並べる。この時代の、しかも良コンディションのビンテージが一堂に会する展覧会は前例がない。ビンテージ品の販売は行わないが、「ジャンキースペシャル」では貴重なそれらを資料とした「サンサーフ」のレプリカを購入することができる。

 大手セレクトショップや百貨店によると、2017年春夏シーズンの売れ筋は開襟シャツだという。アロハシャツブームは、すぐそこまで来ている。加えて、東洋エンタープライズは昨今のMA-1ブームやスカジャンブームの立役者的存在でもある。同社が今夏のキラーコンテンツと捉えているのが、アロハシャツなのだ。

 「スカジャン、フライトジャケットに続き、『ジャンキースペシャル』でビンテージ展を開催するのは、これで3回目。10代のお客さまや女性客、われわれの想定していなかった来場者にも恵まれている。この機会に、ぜひ“本物”を体感してほしい」と東洋エンタープライズの川島尚プレス担当。

 アロハシャツの発祥には、日本人移民が深く関わっている。ハワイに初めて日本人移民が上陸したのは1868年(明治元年)のこと。彼らは農業を生業とし、さとうきびやパイナップルを育てた。着用していたのは、和装をセルフリメイクした野良着だった。同時に移民たちは、ハワイで初めて襟付きシャツの文化に触れることになり、自作の服にも次第に襟が付くようになった。

 龍や虎が鮮やかに描かれた和装地の襟付き服を着て、元気に駆け回る移民の子たちに目を奪われたのは、農場主や増え始めた観光客の白人だった。自分用に、また土産物として、シャツを島内の仕立て屋に作らせ、喜々としてアメリカ本土に持ち帰ったという。これが1920~30年頃のこと。

 今回はアロハシャツの前身ともいわれる、ハワイアンワークウエア「パラカシャツ」も展示される。「パラカ」とはチェック生地の呼称で、欧州からアメリカ本土へこれを運んでいた船員が着ていたのがパラカ製のフロック(かぶりの作業着)だった。船便の経由地であるハワイで、これを見た日本人移民は絣(かすり)にも似たパラカに郷愁を誘われ、パラカ製の襟付き服を製作した。これこそがアロハシャツの礎だ。

 会場でアンケートに回答すると、「サンサーフ」のオリジナルハンドタオルをもらえる。今治タオル製で、今回の展覧会のために作られた限定品だ。

■ヴィンテージアロハシャツ展~アロハシャツの歴史を紐解く~
日時:[前期]6月3〜25日、[後期]:7月1~17日
場所:ジャンキースペシャル
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-46-5 KM新宿ビル1階
入場料:無料

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