「マウジー(MOUSSY)」「スライ(SLY)」「エンフォルド(ENFOLD)」「ハウスコミューン(HOUSE_COMMUNE)」など15の人気ブランドを抱え、国内に直営とフランチャイズ合わせて364店(4月末現在)を運営し、海外でも現地法人との契約やフランチャイズ展開などで200店(3月末現在)を構えるのが、バロックジャパンリミテッドだ。2016年11月に東証一部に上場し、20年度には売上高1000億円を目指す。そんな同社管理本部人財開発部の合力佳代子さん(以下、合力)に最新新卒採用事情を聞いた。
WWDジャパン(以下、WWD):新卒に対して求める人材像は?
合力:既存の社員にない才能や発想の持ち主を求めています。今の社員との相乗効果が得られるような、新しい発想やゼロから何かを生み出せる力ですね。自分で考えて、柔軟に自走できる人材を探しています。これは新卒に限ったものではなく、会社としていろいろな人材がいた方が面白いし、一つの比喩なのですが、フルーツポンチ状態を作れるのがいいのではないかと。そういう意味で留学生採用も積極的に行っています。単純にグローバル展開をしているからではなく、異なる背景を持つ人が集まった方がユニークな発想も生まれやすいだろうと考えてのことです。
WWD:フルーツポンチ状態というのは面白いですね。17年4月入社の新卒は何人採用しましたか?
合力:41名です。そのうち6名が外国籍で、本社採用は14名です。
WWD: 採用したのは具体的にはどんな人ですか?
合力:例えば、工芸大学の大学院を出て、自分でブランドを立ち上げた経験もある人や、ミュージカル劇団の活動に非常に熱心に取り組む中で衣装を担当していた人など、ユニークで個性あふれる人材を採用することができました。外国籍の人材は、語学が堪能なことに加えて、短期ながら中国で銀行に勤めた経験があるなど、専門領域があるような人を採用しました。
WWD:随分濃いですね(笑)。入社後2カ月が経過しましたが、社内での評価はどうですか?
合力:各方面で好評です。先にお話ししたブランドを立ち上げた経歴のある新入社員は他の新入社員とペアを組んで、早くも先日行われた社内事業公募制度の「ネクスト イズ ユー」に出場しました。惜しくもグランプリは逃しましたが、ファイナリストに選ばれて、副社長とミーティングするなど事業化を視野に入れた動きもあります。
WWD:入社すぐに「ネクスト イズ ユー」ですか。それは果敢ですね。
合力:もちろん1年目は原則売り場で販売を経験しますし、ある程度の教育プランもありますが、彼・彼女たちの個性や状況に応じて柔軟に対応できる土壌が弊社にはあります。そして、気持ちが熱いうちに始動させてあげたいとも思います。
WWD: 1年目は基本的に全員売り場ですか?
合力:そうです。パタンナーなどの専門職は4カ月ですが、やはりお客さまに接することで市場の動向にキャッチアップしたり、試着の際のお客さまの意見を直接聞くなど、総合職や専門職でも学ぶことは非常に大きいと思います。
WWD:販売職で入ると、ずっと販売職ですか?
合力:そうですね。基本的には販売の現場でキャリアを積んで、店長やエリアディレクターへと進むことができますが、バロックキャリアチャレンジ制度、通称“バロチャレ”という社内公募制度を利用して、本社へ異動して、新しい仕事をしたいという声も応援しています。
WWD: ブランドや店舗の配属は、本人の希望を考慮しますか?
合力:全く考慮しないわけではないですが、基本的に本人の適性やキャラクターなどを考えつつ、会社としてのニーズも満たす配属をしていきます。ですから、「『マウジー』じゃなきゃ働きたくないんです!」というような方の場合、熱い思いは尊重しつつも、いろいろなブランドを経験することでスキルが上がるということを理解した上で入社してもらうようにお願いしています。