SIMONE LEZZI / WWD (c) Fairchild Fashion Media
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「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF WHITE c/o VIRGIL ABLOH、以下オフ-ホワイト)」が、6月15日現地時間21時30分(日本時間26時30分)、イタリア・フィレンツェで開催中のピッティ・イマージネ・ウオモでゲストブランドとしてショーを披露する。
「これまでで1番重要なコレクションになる」とヴァージル・アブロー「オフ-ホワイト」クリエイティブ・ディレクター。「今回のコレクションはピッティでショーをすること自体に特にインスパイアされている。自分がゲストに迎えられるということは、ピッティが新しいファッションスタイルの到来を公式に認めるということ。そしてその映えある場に自分が選ばれたことをとても光栄に思っている」と語る。
ピッティの伝統に則り、「ピッティのスタイルとストリートファッションの間の空気感を見せたい」と語る。だがそれだけがインスピレーション源でないことを強調し、「俺は服を作るために服を作るのではなく、服のために服を作っている。ピッティだけでなく、今の社会の空気感も取り入れている。こんにち、政治は若者世代とその上の世代で意見が分かれるトピックだ。今回のコレクションでは、ジェニー・ホルツァー(Jenny Holzer)(現代社会を風刺したテキストを世界の主要なランドマークにプロジェクションする作品で知られるアーティスト)に協力を得た。彼女の作るテキストは、まさに若者のデモで主張されることそのもの。時代に非常にマッチしている。つまり、このコレクションは若者と大人、どちらの声も取り入れたものになる」。
今回のコレクションのテーマは“温度”。かつてマルタン・マルジェラ(Martin Margiela) が色を描写するのに用いた表現だ。
ヴァージルは、「“温度”は自分が何かすでにあるものの瞬間を表現する時に使う言葉だ。天気を例にすると、外の温度が低かったり高かったりすれば気分も変わる。人間は温度に影響を受ける生き物だからだ。要するに、このコレクションでは“温度”が人々、天候、世界、生態系に影響を与えるさまを自分なりに表現した」と説明した。
READ MORE 1 / 1 ヴァージルがピッティで見せるユースカルチャーとは
SIMONE LEZZI / WWD (c) Fairchild Fashion Media
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ヴァージルのコレクションは、従来のテーラリングを再考する機会になりそうだ。「テーラリングの概念を解体し、強調し、縮小させたりして、どこか若さを感じるようになるまでバランスを調節した」とヴァージルが語るように、ハイウエストのパンツ、ロングベルト、タイトなケーブルニットや襟の大きなポロシャツに対し、ボリュームのあるクロップドジャケットなシルエットを合わせるなど、シルエットで遊んだルックが多い。また、ネオンカラーやキーチェーン、ワークブーツなど、90年代のサブカルチャーからの影響も見られる。
「1980年生まれの自分にとって、90年代はまさに自分たちの世代だった。スケートや、ロックンロールとヒップホップの対立などのサブカルチャーをコレクションに取り入れた。現代のものの前身となるファッションに音楽、全てが90年代にはあった」と説明した。
DJとしても活躍するバッググラウンドもあり、ニルヴァーナ(NIRVANA)のカート・コバーン(Kurt Cobain)、ノトーリアス・B.I.G. (The Notorious B.I.G.)、N.W.A.、ウータン・クラン(the Wu-Tang Clan)などのアーティストはもちろんだが、「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」は皆、ヴァージルのスタイルの形成に一役買っていたという。
ショーではウィメンズ・プレ・コレクションの一部も公開する。「どちらも前衛的なコレクションではあるが、同じではない。それぞれ別のコレクションだ。ウィメンズは、自然の持つ野生的な面にインスパイアされた」とコメントした。
さらに、パリ・メンズ・コレクション期間中の6月22日から25日に、ピッティで発表するコレクションの展示会も兼ねた「エン プティ・ギャラリー(EM PTY Gallery)」という別プロジェクトも実施予定だ。
「エン プティ・ギャラリー」では“ゴーストディレクター”と呼ばれる、ミラノに拠点を置く写真家のピョートル・ニエプスユ(Piotr Niepsuj)がキュレーターを務め、コレクションとともにアップカミングな写真家やアーティストの作品を展示する。
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