ワイヤレスヘッドホンなどを手掛ける「ビーツ・バイ・ドクタードレ(Beats by Dr. Dre)」は5月25日、アップルストア銀座(APPLE STORE GINZA)でルーク・ウッド(Luke Wood)=ビーツ・バイ・ドクタードレ社長とアーティストのVERBAL、EXILE SHOKICHI、チャーリー XCX(Charli XCX)によるトークイベントを開催した。会場には、女性ファンも多く駆けつけた。ルーク社長は、開口一番「『ビーツ』は音楽の情熱があって出来上がった会社で、今回の目的は音楽に対する情熱や素晴らしさを伝えること。僕は12歳でギターを始めたが、音楽をやっているときは無我夢中で幸せだった。ターニングポイントはニルヴァーナ(NIRVANA)と仕事をした時。当時、世界的なビックスターだったニルヴァーナのPRとして雇われた。マネジャーからは毎日クビにするぞと脅されながら仕事をしていたけど、夜中の倉庫でアンプラグドのリハーサルをしていた時、カート・コバーン(Kurt Cobain)の歌う「SOMETHING IN THE WAY」の声がクリアでピュアで衝撃を受けた。歌の持つ意図を初めて理解できて、音楽は感情を伴って伝わるものだとわかった。その時、音楽を一生かけてやっていこうと思ったんだ」と話した。黄色い声援が飛び交う中、VERBAL、EXILE SHOKICHI、チャーリー XCXが迎えられると、“音楽への情熱”をテーマにトークショーがスタート。
ルーク:VERBALを語る上で、ヒップホップは欠かせない。今、ヒップホップが音楽業界やライフスタイルの多くに影響を与えているが、ヒップホップと出合ったのはいつ?
VERBAL:僕がヒップホップと出合ったのは小5の頃。両親と日本からアメリカに行った時、市内のキャンプに行くと同い年ぐらいの子たちが、「ナイキ(NIKE)」のトラックスーツに金の“ジャラジャラ”を着けて、カッコいいスニーカーを履いてラジカセを持っていた。カルチャーショックを受けて、すぐに両親を説得してレコード屋に連れていってもらったのが、初めての出合い。
ルーク:SHOKICHIは、ボーカルやパフォーマー、ソングライターなど多彩な顔を持っているが、音楽と出合ったのは?
SHOKICHI:中2の時に初めて5人組バンドを組んで、歌と演奏を覚えた。最初はコピーバンドだったが、だんだんオリジナルの曲を作りたくなって、MTR(マルチトラック レコーダー)をみんなで割り勘して買って、寝る間も惜しんで作曲していた。出来上がったときの喜びは、今でも鮮明に覚えている。
ルーク:チャーリーは13~14歳からソングライティングしているが、どうやって音楽を作り始めたのか?
CHARLI:ただ好きな音楽をやっているだけで、今までの経験を音楽として表現しているの。ハウスの定義もわからないけど、作ったものがそういう風に評価されている。音楽の世界に本格的に入ったのは若い頃にレコードレーベルと契約してからだけど、ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)との仕事がきっかけでブレイクできた。
ルーク:似たような音楽にならないような新鮮な音作りへのアプローチは?
VERBAL:常に違うアーティストとコラボする。その人のテイストに引っ張られて新しい引き出しが生まれる。一人で作ると自分だけの世界観だけになってしまうが、コラボすることで、自分の幅を広げられると思っている。
SHOKICHI:国内外のいろんな人と一緒に作るなど、制作プロセスを全て変えている。歌詞はどうしても癖が出てしまうので、映画や小説などでいつも言葉に触れるようにしている。
CHARLI:私も2人と同じようにコラボはよくする。音がダイナミックになったり、違うアイデアが生まれたりする。でも正直言うと、これまでの作品と似たような作品を作るのが好き。似た曲を作ることで自分の音がブランド化するから。