老舗の木村硝子店(KIMURA GLASS)から、スウェーデンを代表するデザイナーのインゲヤード・ローマン(Ingegerd Raman)と協業したコレクションが登場した。木村硝子店は1910年創業。主に老舗レストランや料亭、ホテル、バーなどで使用されるプロが選ぶグラス類を作り続けている。ローマンば、「スクルフ(SKRUF)」や「オレフォス(OREEFORS)」などガラス・ブランドにデザインを提供するほか、陶器も手掛ける。昨年は、有田焼誕生400年を記念したテーブルウエア「ニーゼロイチロク(2016/)」プロジェクトにも参加。彼女はスウェーデン政府からプロフェッサーの照合、同国王室からメダルを授与されるなど、スウェーデンの誇りともいえるデザイナーだ。
今回のコラボは木村硝子店とローマンの長年にわたる交流から生まれた。木村武史・木村硝子店代表の娘がスウェーデンの建築事務所CKRで働いていた時にローマンと出会い10数年前、交流がスタート。ローマンが来日時に木村硝子店の木勝シリーズを見て感動し、それ以来親交を深めてきた。昨年、木村代表がローマンに「グラスをデザインしてみないか」とアプローチし、11種類のアイテムが誕生。ローマンらしい自由でおおらかな表情のコレクションは、ハンガリーの工場で生産されている。
同コレクション発表のためにローマンが来日。彼女は、「協業できて、とても幸せ。用途はそれぞれ違うけど、スタッキングした時にグラスを通したグラスの表情が楽しめるようになっている」と話す。なるほど、プレートやボール、グラスを重ねると、別の造形美が表れる。デカンタやワイングラスにもグラスをかぶせられるようにデザインされており、収納時に重宝しそうだ。彼女の作品はカラフェを始め、水に関するものが多い。彼女の作品は、丸みのあるシェイプのシンプルなものが多く独特の味わいがある。
木村代表は「作品で人をとらえるのがインゲヤードのスタイル。彼女の作品と知らずに購入して、後で気づく人が多い」とコメント。最近では、「イケア(IKEA)」などとも協業し、彼女の作品に触れる機会が増えている。「実用性を考慮したプロポーションが私のデコレーションそのもの。底の形にもこだわったわ。遊び心も大切。私自身のデザイン言語を失うべきではないと思う」とローマン。
価格はグラスが4600円~、ボウルが6900円~、デカンタが1万円。10月に発売予定だ。