「ディオール(DIOR)」が創業70周年を記念し、「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ(Christian Dior, Couturier du Reve)」展を、7月5日から18年1月7日までパリ装飾芸術美術館で開催する。
美術装飾は舞台芸術作家のナタリー・クリニエール(Nathalie Criniere)が手掛け、美術館のモードセクションとホール部分をひとつにし、約3000平方メートルのスペースを使って年代順・テーマごとに展示する。
300点以上のオートクチュールドレスをはじめ、アトリエで使用された生地やファッションフォト、デッサン、絵画、文書などの資料、また、帽子やジュエリー、バッグやシューズ、香水瓶など100点以上集められ、モスクワ、北京、上海、ソウルで同ブランドが開催してきた展覧会の締めくくりを飾る、かつてなく壮大な展示内容となっている。
キュレーターは、オリヴィエ・ギャべ(Olivier Gabet)=パリ装飾芸術美術館館長と北京で開催した“エスプリ・ディオール”の展覧会も手掛けたフロランス・ミュラー(Florence Muller)が務める。
パリ装飾芸術美術館では、1987年にメゾンの創立40周年を記念して、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)が活動した10年間を振り返る回顧展を開催したが、今回は創業者のディオールから、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)、マルク・ボアン(Marc Bohan)、ジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferre)、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)、ラフ・シモンズ(Raf Simons)、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)の初のクチュールコレクションまで、「ディオール」の70年の歴史を回顧する、パリ装飾芸術美術館史上最大規模の服飾展覧会となる。
展示は、ディオールの幼少期から始まり、彼のクチュリエ人生を追って展開される。さらに、彼の後を継いだ6人のアーティスティック・ディレクターの作品をフィーチャーする。展覧会の締めくくりには、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間にインスパイアされた、豪華なボールルームが用意されている。贅沢なイブニングドレスが集められ、中にはモナコのグレース王妃(Grace Patricia Kelly)、ダイアナ妃(Princess Diana)、ジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)など、名だたる「ディオール」の顧客が着用したものも披露する。
今回の展覧会に出展される作品の大部分はディオール ヘリテージのコレクションに属するもので、パリで初公開となる作品も多い。その他、装飾芸術美術館およびフランス服飾芸術連合、ガリエラ美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館衣装研究部門、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館、サンフランシスコのデ・ヤング美術館、ピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団、ロンドン博物館、グランヴィルのクリスチャン・ディオール博物館のコレクションからの特別出展も並ぶ。
また、ルーヴル美術館、オルセー美術館、オランジュリー美術館、ヴェルサイユ宮殿、ポンピドゥーセンター、装飾芸術美術館および多数のプライベートコレクションから貸与されたモネ(Claude Monet)やオーギュスト・ルノワール(Auguste Renoir)、ジョヴァンニ・ボルディーニ(Giovanni Boldini)の美術作品もガリアーノのインスピレーション源などとして展示される。