2017年は、小売り業界にとって決して楽な年ではないようだ。
ECサイトの台頭や、モノではなく経験にお金を使う傾向にあるミレニアルズ、し烈な同業争いなどの影響で、多くのブランドが全店舗の閉鎖や店舗数の削減を迫られている。
以下は、今年に入って店舗数を削減した企業の一例だ。この他に、ビーシービージーマックスアズリア(BCBGMAXAZRIA)、ザ・リミテッド(THE LIMITED)、アメリカン アパレル(AMERICAN APPAREL)が破産法の適用を受けており、それぞれ120店舗、250店舗、104店舗を閉鎖する。
J.C. PENNY
J.C.ペニー(J.C. PENNY CO. INC.)は2月24日、年内に130~140店舗の閉鎖を決定した。マービン・エリソン(Marvin Ellison)会長兼CEOは「今は新たな取り組みを試している段階で、この取り組みが成功すれば、今後、今回のような大量閉鎖はなくなるだろう」と話す。
SEARS HOLDINGS CORP.
シアーズ・ホールディングス(SEARS HOLDINGS CORP.)は1月5日、Kマート(KMART)108店舗とシアーズ(SEARS)42店舗の閉鎖を決定。エドワード・S・ランパート(Edward S. Lampert)会長兼CEOは「今、店舗閉鎖をすることで、昨今の厳しい小売業界の環境を生き抜くために企業を安定させ、資金調達能力の向上を目指している」と語った。また、シアーズ・カナダ(SEARS CANADA)は6月に破産法適用を申請した。
なお、7月6日、エドワード・S・ランパート会長兼CEOはシアーズ8店舗とKマート35店舗を追加で閉鎖することを発表した。
MACY'S INC.
メイシーズ(MACY'S INC.)は今春、63店舗を閉鎖。店舗閉鎖は合理化の一環によるもので、6200人のマネジャーと同社の役員の17%を含む計1万人の社員を解雇した。
ABERCROMBIE & FITCH CO.
アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH CO.)は年内に米国の60店舗の閉鎖を決定。ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼最高執行責任者(COO)兼最高財務責任者(CFO)は「店舗閉鎖は賃貸契約の満了に伴うもの」と話す。7月10日には身売り断念を発表した。
AMERICAN EAGLE OUTFITTERS INC.
アメリカンイーグル アウトフィッターズ(AMERICAN EAGLE OUTFITTERS INC.)のジェイ・ショテンスタイン(Jay Schottenstein)会長兼最高経営責任者(CEO)は5月17日の会見で、25~40店舗を閉鎖すると発表した。「われわれは、少々積極的に店舗数を削減するが、闇雲に店舗を閉鎖しているのではない。売り上げを最大限に維持することを念頭に置いて、閉鎖する店舗を慎重に選んでいる」と説明した。
RALPH LAUREN CORP.
ラルフ ローレン(RALPH LAUREN CORP.)は4月4日、14年にオープンしたばかりの「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」のニューヨーク5番街旗艦店を閉店すると発表。ニューヨークにある「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」7店舗とポロ バー レストラン(POLO BAR RESTAURANT)については維持していく。
GUESS INC.
過去2年間で62店舗を閉鎖しているゲス(GUESS INC.)は、年内に追加で60店舗の閉鎖を決めた。ヴィクター・ヘレロ(Victor Herrero)CEOは、店舗閉鎖によって、年間1600万ドル(約17億9200万円)の営業利益の確保が期待できると話す。
G-III APPAREL GROUP LTD.
G-IIIアパレル グループ(G-III APPAREL GROUP LTD.)のモーリス・ゴールドファーブ(Morris Goldfarb)会長兼CEOは3月27日、60店舗近くを閉鎖し、来年には追加で55店舗の閉鎖を予定していると発表した。しかし、一部の店舗は「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」や「DKNY」へと転換する予定だ。
WET SEAL
ウェット シール(WET SEAL)のミシェル・ストッカー(Michelle Stocker)副社長兼ジェネラルカウンセルは1月26日、171店舗を閉鎖することについて「残念ながら同社は現状を維持するための資金調達やパートナーを見つけることができなかった。その結果、会社を清算する以外、方法がなかった」と語った。