マークスタイラーは今秋ローンチする「コトリカ(COTORICA.)」の展示会を開き、関係者に披露した。「コトリカ」は同社初のSC業態で、ウィメンズとメンズ、キッズのウエアをそろえる複合店になる。
自社アパレルのウィメンズとメンズは、デニムを主役にしたジーニングカジュアルと、旬な色・柄や素材を取り入れたシーズントレンド、機能性のあるベーシックの3軸を立てる。中でも主力とするデニムは、ウィメンズがスキニーデニム(2990円)や国産の“カイハラデニム”を使ったスリムストレートデニム(7990円)などをラインアップ。また、ウィメンズとメンズ共に、デニムの形や色、加工、ステッチの色などを選べる“カスタムデニム”も用意する。価格は未定だが、8000円前後を予定している。デニム以外のアイテムは今シーズン、ウィメンズはマスタードなどのトレンドカラーも取り入れたファージャケットやコーデュロイパンツ、キルティングコートなど、メンズはカーキやネイビーなどのベーシックカラーを基調にしたナイロンジャケットやニットカーディガン、スエットパンツなどをそれぞれ提案する。中心価格帯は、ウィメンズ2990〜5990円、メンズ3990〜6990円。なお、全体の10%を占めるキッズはバイイング商品になる。
「コトリカ」の世界観を作るのが、塊根植物だ。中には、数十年成長し続けたものもあり、20万〜30万円などで販売する。店舗では、入り口からテープル、店内まで、塊根植物のグリーンを空間作りに生かしていくという。
「コトリカ」を手掛けるSC事業準備室には、ワールドで長年SC事業を担当していた芦澤潤・室長と石橋賢二・副室長が就いた。2人は、「30〜40代をターゲットとしているが、40代くらいのママ世代は自分への消費が減ってしまう。でもセレクトブームでファッションの感度を培ってきた世代でもある。われわれが『コトリカ』で発信したいのは、都心の感度もありつつ、商品のクオリティーと値段のバランスがきちんと取れていること。価格帯は他社のSC業態の中では、ちょうど中間くらい。安すぎないが、きちんと品質にこだわった商品を提供していく」と話す。
出店計画は、今秋オープン予定の関東近郊に2店舗(それぞれの店舗面積は165平方メートルと224平方メートル)に続き、来春には2〜3店舗の出店を予定している。エリアは関東圏と大阪、名古屋近郊。2020年度をめどに最大の20店舗を構え、1店舗あたりの売上高を1億4000万〜1億6000万円、年間で同40億〜45億円を想定する。秋山正則・社長は、「SCは安く作れるマーケットではない。今社内で議論しているのは、コストを上げても上代を下げること。ファッションビルと百貨店、SCと戦い方は違えど、なるべく値引きしないような価値を作っていかなくては自滅してしまう。始めの原価率は約45%と高めだが、最初が勝負。珍しい商品はないが、こだわりはある。僕ら“洋服屋”としての原点はモノ作り。そこに差ができるようなこと、都心に住む人々のニーズに応えられるような面白いことを発想していきたい」と話す。