英ラグジュアリースマートフォンメーカー、ヴァーチュ(VERTU)が経営難で清算に入った。ハンプシャーとイングランドの製造工場を閉鎖し、最大200人を解雇する。
同社のスマートフォンはワニ革や、ゴールド、プラチナのケースで、サファイアをあしらったものもあり、価格帯は1万1100ポンド(約163万円)から3万9100ポンド(約574万円)。富裕層によって支えられたニッチな市場を寡占していたが、機能面や新商品のリリースに置いて他社に遅れをとったことが、既に少数であった顧客離れにつながったようだ。
同社はロンドンのヴォーグフェスティバル(VOGUE FESTIVAL)や英国ファッション評議会、GQメンズウエア財団を支援するなど、ファッション性もアピールしていた。
リテールコンサルタントのポール・トーマス(Paul Thomas)は、「同社の売り上げは2016年に落ち込んだ。主要顧客層であったアジアと中東の富裕層は、ゴールドのiPhoneやポルシェ(PORCHE)デザインのブラックベリー(BLACKBERRY)に乗り換えたのだろう」と語った。