エドワード・エニンフル(Edward Enninful)が編集長を務める新体制の英「ヴォーグ(VOGUE)」のコントリビュート・エディターに任命されたナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)が、自身のインスタグラムアカウントで、旧英「ヴォーグ(VOGUE)」編集部のダイバーシティーの欠如を批判した。
キャンベルがインスタグラムに投稿した写真は、アレクサンドラ・シュールマン(Alexandra Shulman)前英「ヴォーグ」編集長が最後に手掛けた9月号のスタッフフォト。圧倒的に白人と女性の比率が高いことがうかがえる。キャプションには「これはアレクサンドラ・シュールマン前編集長体制下の英『ヴォーグ』スタッフフォト。ダイバーシティーに富んだエドワード・エニンフル体制下の編集部が楽しみ!あなたはどう思う?」と付け加えた。
この投稿に対し、多くの賛同のコメント、「いいね!」が寄せられている。中には映画プロデューサーで環境保護活動家のリヴィア・ファース(Livia Firth)も、ナオミ・キャンベルが、これまで英「ヴォーグ」が触れようとしなかったダイバーシティの問題を取り上げ、エニンフル体制にシフトすることに非常に意欲的なことを称賛した内容のコメントを寄せている。
エニンフルは、故フランカ・ソッツァーニ(Franca Sozzani)前伊「ヴォーグ」と手掛けた「ブラック イシュー」の他、多様な国籍・人種・年齢・宗教のモデルを起用した「ギャップ(GAP)」のキャンペーンのディレクションとスタイリングするなど、これまでのキャリアでもダイバーシティーに率先して取り組んできた。2016年には、ファッション業界にダイバーシティーをもたらしたことが評価され、大英帝国勲章を授与された。新しい英「ヴォーグ」でも就任発表時からダイバーシティに富んだ構成になることを予告している。
8月に編集長に就任したエニンフルの下、ナオミ・キャンベルの他、ケイト・モス(Kate Moss)、スティーブ・マックイーン(Steve McQueen)らをコントリビュート・エディターとして迎えた新体制の英「ヴォーグ」は、12月号からスタートする。また、「スナップチャット(Snapchat)」上で各ニュース媒体がニュースやコンテンツを配信する「ディスカバー(Discover)」機能に参加。8月3日から配信開始するなど、着々と体制も改革している。
旧英「ヴォーグ」のダイバーシティの欠如は以前から議論の対象にされてきた。ブライアンボーイ(Bryanboy)として知られるファッションブロガー、ブライアン・ヤンバオ(Bryan Yambao)も同じスタッフフォトを、「有色人種が一人もいない某ロンドンのファッション出版社の写真好き(笑)。レイシズムが極限まで日常化している」と皮肉ったツイートと共に投稿し、ツイッターではさまざまな意見が飛び交った。