ピエール・ベルジェ(左)とイヴ・サンローラン (c) Fairchild Fashion Media
イヴ・サンローランの自宅の庭でくつろぐイヴ・サンローラン(中央前)とピエール・ベルジェ(中央奥)とベティー・カトルー(左)と夫のフランソワ・カトルー RUSSELL MARY / WWD (c) Fairchild Fashion Media
1957年、ピエール・ベルジェ CLAUDE BUFFET (c) Fairchild Fashion Media
米「WWD」を読むピエール・ベルジェ(左)とベティーカトルー(中央)とイヴ・サンローラン (c) Fairchild Fashion Media
ルル・ドゥ・ラ・ファレーズ(左)とピエール・ベルジェ (c) Fairchild Fashion Media
1971年、ニューヨーク新店舗のオープニング・パーティーに出席するピエール・ベルジェ(左)とマリナ・スキアーノ
1972年7月28日、コレクションのバックステージでのピエール・ベルジェ (c) Fairchild Fashion Media
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ピエール・ベルジェ(左)とルル・ドゥ・ラ・ファレーズ (c) Fairchild Fashion Media
JOHN CALABRESE / WWD (c) Fairchild Fashion Media
イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の生涯のパートナーとして彼を支えた実業家、ピエール・ベルジェ(Pierre Berge)が9月8日朝5時39分(現地時間)、長い闘病の末、フランスのサン・レミ・ド・プロヴァンスの自宅で亡くなった。86歳だった。
ベルジェはサンローランとの絆について「私たち2人は、ぴったりとはまるように作られたパズルのピースのようだった。お金、ビジネス、ライセンス、店舗の開店、全て私なしには実現し得なかった仕事だ。しかし、世界で一番大きく、美しい飛行機は、ガソリンとそれを操縦できるパイロットなしには動かない。そしてその飛行機を操縦できる唯一の人物、それはイヴ・サンローランだ」と2010年に米「WWD」に語っていた。
ベルジェは1930年、フランス大西洋に位置する小さな島、オレロン島で生まれる。画家、作家になる夢を追いかけ48年にパリに移り、ジャン・コクトー(Jean Cocteau)、ジャン・ジオノ(Jean Giono)などの作家と交流を持つ。50年に画家のベルナール・ビュフェ(Bernard Buffet)と出会い、その後8年間パートナーとして彼のキャリアをサポートした。
58年にベルジェはサンローランと出会う。サンローランは「ベルジェにすぐに親しみを覚えた。出会った時から彼は私を理解してくれる人、そしてパートナーだった。彼は私が持っていなかった“強さ”を持っていた」と語っている。サンローランが仏陸軍に徴兵され、神経衰弱で陸軍病院に収容されていたとき、ベルジェはサンローランの母と毎日見舞った。61年に2人は「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」を設立した。
マラケシュでのピエール・ベルジェ(左)とイヴ・サンローラン MUSEE YVES SAINT LAURENT PARIS / GUY MARINEAU (c) Fairchild Fashion Media
1985年、ブネルヴィル・シュル・メールのガブリエル城でのイヴ・サンローラン(左)とピエール・ベルジェ MUSÉE YVES SAINT LAURENT PARIS / GUY MARINEAU (c) Fairchild Fashion Media
元仏大統領フランソワ・ミッテラン(左)とピエール・ベルジェ (c) Fairchild Fashion Media
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PHOTO BY GEORGE CHINSEE (c) Fairchild Fashion Media
イヴ・サンローランの葬式に出席するピエール・ベルジェ DOMINIQUE MAITRE / WWD (c) Fairchild Fashion Media
マラケシュでのピエール・ベルジェ (c) Fairchild Fashion Media
ナタリー・ドゥフォー=フランス国立モード芸術開発協会(ANDAM)会長(左)とピエール・ベルジェ DOMINIQUE MAITRE / WWD (c) Fairchild Fashion Media
ピエール・ベルジェ(左)とソニア・リキエル DOMINIQUE MAITRE / WWD (c) Fairchild Fashion Media
クレール・シャザール(左)とピエール・ベルジェ STEPHANE FEUGERE / WWD (c) Fairchild Fashion Media
ドリス・ブリンナー(左)とピエール・ベルジェ DOMINIQUE MAITRE / WWD (c) Fairchild Fashion Media
ピエール・ベルジェ(左)とモロッコ王ムハンマド6世 (c) Fairchild Fashion Media
LUC CASTEL (c) Fairchild Fashion Media
73年にベルジェはフランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(通称サンディカ)の会長に任命された。77年にパリの劇場、テアトル・ドゥ・ラテネ・ルイ・ジューヴェを購入。80年に、2人して「恋に落ちた」というモロッコ・マラケシュのマジョレル庭園を購入・保護。2001年にジャルダン・マジョレル財団を設立し、11年にはモロッコと、その地のアマジグ文化に捧げるベルベル美術館を開館。現在では年間80万人が訪れる観光スポットとなっている。
86年に服飾学校、IFM(Institut Francais de la Mode)を設立。88年にパリ・オペラ座の会長に任命される。2001年にピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団を設立した。15年にフランス政府からレジオンドヌール勲章オフィシエを、16年にはモロッコ政府から栄誉勲章を授与された。
ベルジェは、17年10月3日にパリに、10月19日にモロッコ・マラケシュに、故サンローランと、彼のクリエーションに捧ぐイヴ・サンローラン美術館を開館する。その目前での訃報だった。