フランスのファッション誌「パープル ファッション マガジン(Purple Fashion magazine)」が創刊25周年を記念して、25通りのスペシャルカバーを発売しました。タイトルは“PURPLE”とのみイエローバックに黒で印字され、その下にファッション写真が配されています。クロエ・セヴィニー(Chloe Sevigny)、福島リラ、サスキア・デ・ブロウ(Saskia de Brauw)らをモデルにしたファッションシューティングの他、リチャード・プリンス(Richard Prince)のアート作品などが表紙を飾っています。日本の書店での発売はもうしばらく先のようですが、どの1冊を選ぶべきか、悩ましい……。
2015年には、イギリスのファッション・カルチャー誌「i-D」が創刊35周年を記念してケイト・モス(Kate Moss)らトップモデル18人を起用したスペシャルカバーを発表しました。人気ファッションデザイナーが手掛けた表紙も製作され、筆者はラフ・シモンズ(Raf Simons)「ディオール(DIOR)」アーティステック・ディレクター(当時)のものが欲しかったのですがゲットできず、モデルのナタリー・ウェストリング(Natalie Westling)が表紙の1冊を購入しました。
それはさておき雑誌不況が続く中、こうして数十年間継続している媒体には本当に頭が下がります。オリヴィエ・ザーム(Olivier Zahm)「パープル ファッション マガジン」編集長は「パープル」誌を“luxury magazine”と形容し、SNS時代に逆行するものと捉えているようです。それでも彼は、「雑誌はエゴではなく、印刷メディアの価値を信じ、同じビジョンを共有するクリエイターたちの仕事だ」と言い切っています。上述2誌のスペシャルカバー企画のように紙媒体にしかできないやり方で読者をワクワクさせることが継続の秘訣なのかもしれません。