PROFILE:1990年12月8日生まれ、大阪市出身。大学時代に大阪でスカウトされる。2013年夏にシンガポールに渡り、本格的にモデル業をスタート。その後パリに渡り、「シャネル」ヘッドオフィスでモデルをしたり、14年春夏シーズンにオートクチュールのショーにデビューしたりして、経験を積む。NYではミューズ、日本ではドンナに所属。創刊10周年記念第3弾の「WWDビューティ」9月21日号では、表紙を飾る予定だ
2018年春夏シーズンがニューヨークで開幕し、今シーズンも日本人モデルの活躍に期待できそうだ。早速注目を集めているのが、26歳の新井貴子(きこ)。ラフ・シモンズによる2回目の「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」のショーに登場し、脚光を浴びた。現在はNYを拠点に活動する彼女だが、日本では、TAOやCHIHARU、ここ数シーズンでは、萬波ユカや江原美希といった新人モデルが活躍するドンナに所属。今シーズンは、NYからパリまでコレクションサーキットを横断する。NYで奮闘する彼女にインタビューした。
WWDジャパン(以下、WWD):モデルはいつからスタートした?
新井貴子(以下、新井):大学生の時に大阪でスカウトされました。一番上の姉から勧められたことを機に、2013年夏からシンガポールで本格的にモデルとしての活動を始めました。実を言うと、中学生の頃からスポーツ一筋で、ファッションには全く興味がなかったんですけどね(笑)。
WWD:これまでどんな仕事をしてきた?中でも印象に残っている仕事は?
新井:モデルを始めた最初の1年間は、2カ月ごとにパリに行っていました。その頃に「シャネル(CHANEL)」のヘッドオフィスでモデルをしていたことがとても印象深いことでした。すごく勉強になりました。その後、オートクチュール・コレクションでショーにトライしました。「ジョルジュ オベイカ(GEORGES HOBEIKA)」というブランドのショーでは、幼い女の子と手をつないで歩いたのですが、すごく緊張したことをよく覚えています。
「カルバン・クライン」2018年春夏コレクションから
WWD:「カルバン・クライン」のショーのバックステージはどんな雰囲気だった?
新井:憧れのトップクリエイターたちが、最高のコレクションを披露するために準備をしていたのですが、ビッグメゾンの余裕というか、特に緊迫ムードもなく、いろんな人と話したり、おいしいケータリングを食べたり、和やかな時間が流れていました。
WWD:ラフ・シモンズはどんな人だった?
新井:ラフは一見クールでサバサバした印象でしたが、洋服やモデルを見る時には急に眼差しが鋭く強くなって、周りの空気まで変わりました。ショーが始まってからは、バックステージで私の出番の時に、ラフは私の肩を叩いて「よし行こう!」と優しく送り出してくれました。ウオーキングに関する指示は、自分の前の人と全く同じスピードでということ以外は特になかったのですが、私はショーで流れていたシガレッツ・アフター・セックス(Cigarettes After Sex)の「Apocalypse」という曲に乗って歩いていました。ラフの世界観に触れながら、インスピレーションをたくさん受けました。
「ケンゾー」2018年春夏コレクションから
「ケンゾー」2018年春夏コレクションから
「ヴィクター&ロルフ」2017-18年秋冬オートクチュール・コレクションから PHOTO BY KIM WESTON ARNOLD
「ヴィクター&ロルフ」2017-18年秋冬オートクチュール・コレクションから PHOTO BY KIM WESTON ARNOLD
「ヴィクター&ロルフ」2017-18年秋冬オートクチュール・コレクションから PHOTO BY KIM WESTON ARNOLD
「ラルフ ロッソ」2017-18年秋冬オートクチュール・コレクションから PHOTO BY KIM WESTON ARNOLD
「ラルフ ロッソ」2017-18年秋冬オートクチュール・コレクションから PHOTO BY KIM WESTON ARNOLD
「マリメッコ」2017年春夏コレクションから
WWD:昨年の2017年春夏シーズンの「マリメッコ(MARIMEKKO)」や「アニエス・ベー(AGNES B.)」に続き、17-18年秋冬オートクチュールの「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」や「ラルフ & ルッソ(RALPH & RUSSO)」、18年春夏の「ケンゾー(KENZO)」のショーに次々と起用された。今シーズンはランウエイモデルとして、活躍の幅を広げようと決意した理由は?
新井:コンディションもベストだったので、感覚で、いけるかも!と思いました(笑)。海外をベースに約3年間積み重ねてきた経験が形になるシーズンにしたいです。
WWD:ミラノやパリで歩きたいブランドのショーは?
新井:ミラノでは「プラダ(PRADA)」や「フェンディ(FENDI)」「グッチ(GUCCI)」、パリでは「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「シャネル」「バルマン(BALMAIN)」で歩くのが目標です!
WWD:憧れのモデルは?
新井:スイ・ハ(Sui He)とキャンディス・スワンポール(Candice Swanepoel)。スイ・ハはもっとも憧れるアジア人モデルで、肌の美しさやフェイスラインのキレ、体のバランスの全てが目標です。キャンディスは、ユーチューブで「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)」のショーを見た時に、初めて人のウオーキングを見て鳥肌が立ちました!あのウオーキングと鍛え抜かれたプロポーションに憧れます。
WWD:今後どんなモデルになりたい?
新井:「アジア人モデルなら、Kiko Araiが一番クール!」と言われるようになりたいです。ビッグメゾンで一流のクリエイターたちと、見る人を惹きつける、記憶に残る仕事をしていきたいです。今はマザーエージェンシーがあるNY活動の拠点を置いていますが、チャンスがあるところには、できるだけフレキシブルに飛んで行けるように海外、日本共に活動をしていきます。