スターバックス コーヒー ジャパン(以下、スターバックス)が20日、初のパーソナルカスタマーサービス「スターバックス リワード(STARBUCKS REWARDS)」を開始する。オンライン登録を済ませたスターバックス カードを店頭決済に使用して、“スター”と呼ばれるポイントを貯める仕組み。貯まったポイントはフードやドリンク、コーヒー豆の購入に利用できる。他にも、顧客の嗜好に合わせた新商品やイベントの案内など、パーソナルな情報発信を行う。
会員ポイントにはグリーンスターとゴールドスターの2ランクがあり、1年以内にグリーンスターを250ポイント貯めると、ゴールドスターに切り替わる。ともに50円で1ポイントが貯まる。すでに同サービスを導入しているアメリカでは1330万人の会員がおり、その売り上げが全体の36%を占めるほど好調で、国内でも売り上げに直結する施策として期待をする。また、新サービスで集められる顧客行動をビッグデータとして活用し、今後のサービス・商品開発につなげる狙いもある。
水口貴文スターバックス コーヒー ジャパン最高経営責任者(CEO)は、「顧客、地域、パートナー(従業員)という3つのつながりを作ることがわれわれのビジネス。その上でもっとも大切になるのは店舗と商品、パートナーによる“スターバックス体験”。ここにデジタルという要素を加えることで、さらなる深い体験を提供できるはず。例えば、新商品は年間約480もあり、毎週約500万人が来店する店頭のカスタムメニューも合わせれば、その注文内容は膨大になる。『スターバックス リワード』を活用すれば、顧客ごとに好きなコーヒーを把握でき、それぞれにあったフード提案ができるようになる」と話す。
濱野努デジタル戦略本部本部長は、「スターバックスのデジタル戦略として、“リワード”“パーソナライゼーション”“ペイメント”“オーダー”の4つが軸になっている。日本でも2012年の『マイスターバックス会員』開始を皮切りに、13年のオンラインストア開設、14年のモバイルカード導入、16年の公式アプリ開始など、さまざまな取り組みを行ってきた。今後もパーソナライゼーション機能を活用して顧客の体験を広げたい」と意気込む。
スターバックスの17年9月時点の国内店舗数は1304。1日の来客数は72万人。今年も京都の町家を改修した店舗や鹿児島仙巌園の店舗など、地域に合わせて100店舗以上をオープンしている。デジタル活用についても好調で、SNSのフォロワー数が400万人近くいる他、ウェブサイトの訪問数も月間1億4000万と、7年間で957%の成長率だという。スターバックスカードを利用した店頭決済率も全体の20%を占め、カードの入金額も7年間で493%まで増加している。