ミラノ・コレクション取材も終盤を迎えました。慌ただしいファッション・ウイークの中で特に印象的だったのは、「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」のプレゼンテーションです。
初日のショーを一通りまわって最後に向かったのですが、中庭がキャンドルでライトアップされ、素敵な雰囲気。イタリアの地元の食材を用いた料理でもてなしてくれます。「ブルネロ クチネリ」はウンブリア州ソロメオに本社を構えているのですが、そこでもソロメオ料理を訪れる人に振る舞うそうです。
リゾットやパスタ、キノコのマリネやフリットなど、どれも絶品で疲れが一瞬にして吹っ飛びました(笑)。とくにフレッシュなお肉が乗せられたサラダは、私の今回のイタリア取材で一番感動した料理でした。本当に良い食材は、人の身体と心を癒やしてくれるんですね、本当に。そして家族を、愛する人たちを大事にする、イタリア人の本質的な精神を感じました。店で服を見るだけでは見えてこない、メゾンの在り方、精神性が伝わってくる一夜でした。デジタルも便利で良いけれど、実際に体験してみないと分からないことはたくさんあるなと改めてしみじみ。
同ブランドは来年40周年を迎えるそうです。食べているだけでは取材にならないので、しっかりと服もチェックしました(笑)。タイムレスでクラシック、そして上質なカシミヤでその名を馳せてはいますが、実際に商品を見てみると、ブランドの世界観を保ちながらもトレンドは随所にちりばめられています。
今シーズンは、デニムがどのブランドでも多く見られたのですが、「ブルネロ クチネリ」でもデニムのジャケットやワンピース、ロングスカートを提案していました。
ジャケットはラペルだけ黒のサテンにしていたり、ワンピースにはフェザーをあしらっていたり、そこは上品なあしらいです。説明をしてくれたPRの方が「ゼロウオッシュです」。と説明してくれました。「ノンウオッシュ」ではなく、「ゼロウオッシュ」。なんだか新鮮です。
継続しているスリッポン人気ですが、こちらもデニム素材を用いて提案していました。そして私が「ブルネロ クチネリ」で一番気に入ったスタイルが写真にある白のブラウスにチェックのベアトップを着ているルックです。トレンドのチェックをスポーティーなアウターと合わせるあたりも時流に即しています。
また、実際にトレンドをリアルに着こなせるあたりもポイントが高いです。価格はちょっと(!?)リアルではないかもしれないですが(笑)、上質なイタリアン・ライフスタイルです。