2018年春夏ウィメンズ・コレクションが終わった。今季最も注目を集めたモデルは、元祖スーパーモデルの1人であるシンディ・クロフォード(Cindy Crawford)の娘、カイア・ガーバー(Kaia Gerber)だろう。16歳の彼女は今シーズンランウエイデビューを果たし、ニューヨークでは「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」「フェンティ プーマ バイ リアーナ(FENTY PUMA BY RIHANNA)」「コーチ(COACH)」「カルバン・クライン コレクション(CALVIN KLEIN COLLECTION)」など名だたるビッグブランドのランウエイを歩いた。ロンドン、ミラノ、パリでは「バーバリー(BURBERRY)」「ヴェルサーチ(VERSACE)」「モスキーノ(MOSCHINO)」「フェンディ(FENDI)」「プラダ(PRADA)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「シャネル(CHANEL)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」「クロエ(CHLOE)」「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」と4都市で計18のショーのランウエイを歩いた。「バーバリー」では兄のプレスリー・ガーバー(Presley Gerber)も、「ヴェルサーチ」では母のシンディもランウエイに登場した。そして「シャネル」や「フェンディ」などではトップバッターに登場し、「マーク ジェイコブス」ではラストを飾るなど、デザイナーもカイアにはかなり注目しているようだ。デビューシーズンであるにもかかわらず、トップモデル顔負けの堂々としたウオーキングを見せた。
「モスキーノ」のショーで彼女を起用したデザイナーのジェレミー・スコット(Jeremy Scott)は「カイアはシンディのドッペルゲンガーのようで業界ではみんな大騒ぎ!本当に美しいし、性格もよい。今はマリブ(カリフォルニア)に住んでいるけど、米国中西部で生まれ育ったシンディの教育を受けているからとても真面目で礼儀が良い。やる気にあふれていて彼女自身もとてもクリエイティブ!」と評価した。「もちろん、アンナ・クリーブランド(Anna Cleveland)やリリー・マクメナミー(Lily Mcmenamy)など2世モデルは多く活躍しているけれど、カイアは元祖スーパーモデルの血を受け継いでいるからやっぱり違うよね。スーパーモデルの時代を思い出すようで、ノスタルジーさえ感じる」。キャスティング・ディレクターのジェームズ・スカリー(James Scully)は「彼女は純粋に可愛くて、綺麗な女の子。いわゆるアメリカン・ビューティ。一時期業界では、万人ウケするような典型的な“美人” より、ちょっと個性があるような子だったり、クールなモデルを起用することが主流だった。 でもその潮流が少しずつ変わってきているのではないだろうか?今季も、ラフ・シモンズ(Raf Simons)など、彼女を起用することはないだろうと思われたデザイナーも起用していたくらいだから。カイアのような子が増えるのが楽しみ」と語った。確かに、業界では一時期トップモデルの地位を築いたララ・ストーン(Lara Stone)やマグダレナ・フラッコウィアック(Magdalena Frackowiak)、スネジャナ・オノプカ(Snejana Onopka)、ダフネ・グレネヴェルド(Daphne Groeneveld)、ハンネ・ギャビー・オディール(Hanne Gaby Odiele)のような少し癖のあるような顔立ちのモデルは減っているようだ。