映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)のセクシャル・ハラスメント問題について「ダナ キャラン ニューヨーク(以下、DKNY)」創業者のダナ・キャラン(Donna Karan)が被害女性にも原因があると発言し、バッシングを受けている。
アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)やグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)ら、複数の女優がワインスタインにホテルの部屋でマッサージを強要された等のセクシャル・ハラスメント行為を米「ニューヨーク・タイムズ(NEW YORK TIMES)」が報道したことを受け、数々の著名人がワインスタインとハリウッドにはびこる悪慣習について批判した。一方でキャランは10月8日にハリウッドで開催された 「シネファッション フィルム アワード(CineFashion Film Awards)」で英「デイリーメール(DAILY MAIL)」紙に、「現代の女性は服装で自分の要求や主張を表現している。何を要求しているかって?トラブルよ」と昨今はセクシーな服装が多く、セクハラを受けた側にも問題があると発言。これが著名人らから大バッシングを受けただけでなく、G-IIIアパレル グループ(G-III APPAREL GROU)に売却し、自身は完全に手を引いた「DKNY」の不買運動が起き、株価にまで影響を及ぼす事態を招いた。
キャランの発言はさまざまなテレビ番組でも取り上げられ、議論が白熱。NBCのトークショー“メーガン ケリー トゥデイ(MEGAN KELLY TODAY)”ではキャスターのケリーが「残念ながら、被害者側にも問題があったと考えるのはダナ・キャランだけではない。しかしこれは間違っている。大間違いだ。ここではっきりと言うが、女性が服のチョイスを間違えることもあるでしょう。しかしこれがハラスメントを引き起こす原因では断じてない」と激怒。自身もセクハラ被害に遭った経験があるケリーは、「この国には法律がある。私は女性がオフィスにビキニで出社してきても全くかまわない。その行動は上司が着替えるように注意することに正当性を与えるだけで、セクハラをしてよい理由にはならず、セクハラが起きる原因もない」と続けた。
これに対して9日、キャランは発言の一部を切り取られ、ニュアンスを歪められて報道されたと釈明。「私はこれまで女性の味方として活動してきた。私は人生において、女性を着飾らせ、主張を表現し、女性に力を与え、男女平等に尽力してきた。セクシャル・ハラスメントはあってはならない問題で、解決すべき問題だ。私の発言で傷ついた被害者にお詫びします」と発言した。
この件に関連して、ワインスタインは自身が立ち上げた映画会社ワインスタイン カンパニー(WEINSTEIN CO.,)を解雇された。また、多くの女優がレッドカーペットで着用する「マルケッサ(MARCHESA)」のデザイナーである妻のジョルジーナ・チャップマン(Georgina Chapman)は10日、この問題が与える子どもへの影響を考え、ワインスタインと離婚するとを発表している。