ブランド品のユーズド事業を手掛けるコメ兵が7日、ブランド品に特化したフリマアプリ「カンテ(KANTE)」をローンチした。ターゲットは30〜40代のブランド品が好きな男女。出品価格を1万円以上とし、販売金額に応じて10〜15%の手数料が発生する。個人ユーザーに加えて“認定書ショップ”と呼ばれる法人の出店もでき、ECモールとしての機能も果たす。まずは直近で100万ダウンロードを目指す。
最大の特徴は、同社が強みとする鑑定をオプションサービスとして導入することだ。ユーザーが購入後に鑑定サービスを選択すると、出品者は商品をコメ兵に発送、最短2日の査定を経てユーザーに届けられる。コメ兵を介することで、商品査定と匿名発送という安心できる利用環境を打ち出す狙いだ。鑑定サービス料(平均2%程度)は購入金額に含まれているため追加料金はかからないが、鑑定サービスを選択しなければ購入者はサービス料を割引した金額で購入ができる仕組みをとる。また、一定期間(1〜2カ月程度を想定)買い手がつかなかった場合、コメ兵が買取をしてくれるサービスも用意することで、“出品しても売れない”という問題をなくす。
新事業について藤原義昭・執行役員マーケティング統括部長は、「シェアリング市場が拡大する中で、ブランド品や高級時計、宝石などはまだまだ広がりを見せていないのが現状。その背景には、個人間取引において『スマホで撮影した数枚の画像では本物かどうかわからない』『商品が届かない』という不安にあると考える。70年にわたって培ってきた鑑定ノウハウを活用し、個人間取引市場の信頼性を高めることが新事業の大きな目的だ」と語る。
比較的高い設定の販売手数料について聞くと、「確かに手数料無料をうたうサービスもある中でのチャレンジングな設定だが、鑑定ノウハウに対する信頼として、きちんとお金がかかることは認識していただきたい。手数料は商品の金額が高くになるにつれて安くなる仕組み。成長するシェアリング市場でまだまだニッチな、なるべく高価なものを取引してほしい」という。
石原卓児コメ兵社長は、「リユース市場は右肩上がりだが、新品市場と比較するとまだまだその割合は小さい。中古品販売においては(2015年度の売り上げが)365億円で業界3位。これまでオークション事業や店舗での販売、ECに注力してきたが、唯一手をつけられていなかったフリマ事業によって、全分野で業界1位を目指していきたい」とコメントした。