モンクレール(MONCLER)は、トム・ブラウン(Thom Browne)が手掛ける「モンクレール ガム・ブルー(MONCLER GAMME BLEU)」と、ジャンバティスタ・ヴァリ(Giambattista Valli)が手掛ける「モンクレール ガム・ルージュ(MONCLER GAMME ROUGE)」を2018年春夏コレクションで終了する。
レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)=モンクレール会長兼最高経営責任者(CEO)は「非常に難しい決断だったが、ブランドの成長、そして新たなエネルギーを注入するために、今の消費者に寄り添い、ブランドのアイデンティティーに根差した新プロジェクトを立ち上げなければならない。トムとジャンバティスタの2人はそれぞれ違った意味で天才だった。トムの創造性と、それが生み出すサプライズは世界的に見ても非常にユニーク。彼の卓越性に関して首を横に振る人はほとんどないだろう。ジャンバティスタのエレガントで現代的なビジョンもユニークで、ずっと尊敬していた。それぞれナンバーワンだった」と電話インタビューで語った。
トムとジャンバティスタはそれぞれ自分たちの名を冠したブランドに傾注できるという点で、モンクレールの決断に合意済みだ。トムは「長年にわたり、とても楽しく仕事ができた。完全に自由なクリエイティブをさせてくれたレモ、そしてチームに感謝したい。レモがモンクレールの未来を再考しこの決断に至ったことは、僕としてもタイミングがよかった。『トム ブラウン』の今後の戦略のためにも、僕は自分のビジネスに集中すべきだと考えていた」と話す。
一方ジャンバティスタは、「『モンクレール』を着る女性のワードローブに自分のDNAを組み合わせる仕事は簡単ではなかったが、『モンクレール ガム・ルージュ』でデザインチームとともに、スイスの山岳リゾート地での朝からMETガラの夜まで、さまざまなシーンに合うユニークなコレクションを生み出すことができた。僕を選んでくれたレモの先見性、そしてこれまでのサポートに感謝したい」と語った。
モンクレールは2つのラインの売り上げ額などは明らかにしていないが、レモ会長兼CEOは業績には満足しているという。両ラインは「モンクレール」の直営店45店舗と150の拠点で販売されていた。
「モンクレール ガム・ルージュ」はアレッサンドラ・ファッキネッティ(Alessandra Facchinetti)をクリエイティブ・ディレクターに指名して06年2月にスタートし、08年にジャンバティスタがクリエイティブ・ディレクターに就任した。「モンクレール ガム・ブルー」は「モンクレール ガム・ルージュ」のメンズ版として、09年にトムがクリエイティブ・ディレクターに就任しスタートした。