伊藤忠商事は子会社のスキャバルジャパンで、ネットを駆使した高級スーツ事業をスタートする。高級スーツ地ブランドの「スキャバル(SCABAL)」の卸先である東京や大阪、名古屋など全国5都市の有力テーラーと提携。テーラーで採寸し、ネットで注文できる体制を整えた。ECサイトは18日にオープン。ネット上では500種類以上の「スキャバル」の服地をそろえ、デザインなども選べる。価格帯は10万円から、ラグジュアリーでは80万円程度になるという。3年後には小売りベースで15億円規模を目指す。
「スキャバル」はベルギーの高級服地ブランドで、全国の有力なテーラーを中心に300店舗の卸先を持つ。こうした卸先のテーラーの技術を活かし採寸し、ネット上で膨大な生地から選択するもので、2着目以降は採寸データを基に手軽にネットで注文できる利便性を打ち出す考え。伊藤忠によると、縫製面でも全国の最高クラスの縫製工場と提携するという。
オーダースーツは、コナカが「ディファレンス(DIFFERENCE)」、オンワードグループが「カシヤマ・ザ・スマートテーラー(KASHIYAMA THE SMART TAILOR)」、スタートアップ企業のライフスタイルデザインが「ラファブリック(LA FABRIC)」を展開。大手量販やアパレル、スタートアップまでがそろって参入し、いずれも好調を続けている。伊藤忠は、これまで培ってきた国内のテーラーとの取り引きをベースに、高級スーツ分野を開拓する。