僕は山梨県勝沼町で生まれ、高校卒業までを過ごしました。名産は、ぶどうとワイン。小学校の社会科実習で、“日本におけるワイン発祥の地”と習った気がするのですが、あらためて調べてみるとそうも言い切れないみたいで(笑)、ただ“日本最大のワインの産地”と言うことはできるようなので、そちらは声高らかに申し上げます。いずれにしても、一面のぶどう棚やワインを醸造する際の甘ったるい香りは、勝沼町民の暮らしの一部になっています。
個人的な転機は7年前でした。セレクトショップのアパレル以外の事業を取り上げようと調べていく中で、ジュン(JUN)が勝沼にワイナリーを持っていることを知ったんです!しかも自転車で駆け巡った実家の近所に……。設立は1979年(78年生まれの僕とほぼ同じ)。山梨県産ぶどうのみを使い、年間7万8000本のワインを生産しているんですって。ワイナリーの近くにはジュン所有のぶどう畑もあって、5種類を栽培しています。
2017年1月にシャトージュンのディレクターに就任した道間通雄さんは、元「ジュンレッド(JUNRED)」「アダム エ ロペ(ADAM ET ROPE)」のプレス担当で、15年来の付き合い。「日本のワイン造りには150年近い歴史がありますが、シャトージュンは40年足らず。後発組、そして全くの異業種であることを自認しているため、“農家と寄り添うワイナリー”を目指しています。収穫のタイミングも各農家にまかせ、納品していただいています。これにより農家さんのモチベーションも高く、ぶどうの腐敗果はゼロ。日本ワインコンクールでは14年連続で入賞しており、今年も勝沼の契約農家、中西悟さんの畑で獲れた甲州種を使った白ワインが銅賞を受賞しました」とうれしそうに教えてくれました。最後に「県外はもちろん、県内の皆さんにもシャトージュンのことをもっと知っていただきたいですね」と笑顔。ハイ、返す言葉もございません……。
シャトージュンは17年3月期で売り上げが前年比30%増を記録するなど好調で、新ディレクターも「将来的には、シャトージュンとしてウエアを作ったり、ワイナリーと関連づけたオーベルジュ(食事も楽しめる宿泊施設)を運営したい」と鼻息荒く夢を語ってくれました。「人生を豊かにする、“ワインのある生活”を提案したい」んですって。PR下手の勝沼町民に代わって、どんどん町おこししていただけたら!なんて思っている次第です(……でも不器用で、いつまでも田舎町の勝沼も好きなんですけどね~)。