ファッション

植田みずきが描く「エンフォルド」の未来予想図

 「エンフォルド(ENFOLD)」の植田みずきクリエイティブ・ディレクターが2018年春に、新ブランド「ナゴンスタンス(NAGONSTANS)」を立ち上げる。また、同時期に「エンフォルド」のバッグラインを発売する。一昨年にはNYに路面店を構え、パリでは展示会を行うなど、海外でも精力的に活動し認知度を高めている。12年春にデビューした「エンフォルド」の未来を植田クリエイティブ・ディレクターはどのように見据えているのか。本人に聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):「エンフォルド」のリゾート・コレクションをブランド化した「ナゴンスタンス」を立ち上げた経緯は?

植田みずき「エンフォルド」&「ナゴンスタンス」クリエイティブ・ディレクター(以下、植田):今年初めに発売した「エンフォルド」のリゾート・コレクションの反響がとても良くて、そういうニーズがあるんだと実感した。私自身も夏はよく出かけるタイプで、家族や友達と海やプールに行っては洋服感覚で着られる水着がほしい、作りたいと思っていた。従来の水着は、スポーティーなタイプかすごくセクシーなデザインのどちらか。その中間にゾーニングできる、産後の体形もカバーしてくれて、子どもと思いきり遊べるオシャレで機能的な水着を目指した。

WWD:「エンフォルド」と「ナゴンスタンス」はどのように棲み分ける?

植田:2年前から「エンフォルド」の中で出せない世界観があった。オフィスシーンでのスタイルも考える「エンフォルド」では、どうしても休日提案ができていなかった。「ナゴンスタンス」はスウェーデン語で「どこかへ」を意味する。大人になるとあまり服を買い換えない。どこかに行くから新調するとか、新しく買うとか“投資”する。だからってファストファッションでは済ませたくない。夏はリゾート地のシティーウエアにもなる水着やリネンなどの洗いやすい素材のワンピースなど、冬は山のキャンプにも行ける厚手のアウターなど、これまで「エンフォルド」でカバーできていなかったシーンを「ナゴンスタンス」で作り、365日のスタイルを提案する。

WWD:「ナゴンスタンス」で水着以外に力を入れるアイテムは?

植田:大人がはけるデニム。「エンフォルド」でも何型かシーズンのデザインによって発表していたが、シンプルなデザインだった。バロック(ジャパンリミテッド)でも「マウジー(MOUSSY)」や「スライ(SLY)」などヤングブランドのデニムブランドが30代女性にも人気だが、やっぱり年を重ねるにつれて、骨格が違うのでヒップの位置が合わなかったり、サイズ感がしっくりこなかったりする。バロックが長年持つ生産背景とは異なる新しい国内工場を探した。ワンランク上の本格デニムを作る。

WWD:2月には伊勢丹新宿本店とジェイアール名古屋高島屋に、「エンフォルド」と隣接する形で「ナゴンスタンス」を出店する。

植田:大きなセレクトショップのようになったらいいな。こうした複合店は今後も出していきたいと思っている。でも、「ナゴンスタンス」の世界観が特に合う場所であれば、単独での出店もあるだろう。

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