「セリーヌ(CELINE)」のクリエイティブ・ディレクター、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)が、2018-19年秋冬コレクションを最後に同ブランドを去ることが12月23日に明らかとなった。これを受けて、ファイロ=クリエイティブ・ディレクターの今後と、「セリーヌ」の後任人事に注目が集まっている。
「セリーヌ」でタッグを組んでいたマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)前セリーヌ会長兼最高経営責任者(CEO)がバーバリー(BURBERRY)のCEOに就任していることから、「バーバリー」移籍のウワサが浮上していたが、本件に詳しい情報筋によると、ファイロ=クリエイティブ・ディレクターは当面は他ブランドへの移籍はせず、「バーバリー」への移籍の可能性も低いという。バーバリー本社でファイロ=クリエイティブ・ディレクターの目撃情報もあったというが、別の情報筋も、同氏には「バーバリー」で働くつもりがないようだと話す。本件について「バーバリー」からのコメントは得られなかった。
「過去にもあったように、長期休暇を取りたいのかもしれない」と前述の情報筋は話す。ファイロ=クリエイティブ・ディレクターは06年に「クロエ(CHLOE)」のクリエイティブ・ディレクターを退任した際にも、プライベートを優先するため3年間活動を休止していた。また、リサーチ会社マーテンズ & ヘッズ(MARTENS & HEADS)のメアリー・ギャラガー(Mary Gallagher)=リーサーチャーは、ファイロ=クリエイティブ・ディレクターは「セリーヌ」と長期の競業避止契約を結んでいる可能性があると指摘する。
一方で、ファイロ=クリエイティブ・ディレクターの後任人事についても具体名が飛び交っている。16年に「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」のヘッド・デザイナーを退任したステファノ・ピラーティ(Stefano Pilati)や、「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」を退職したピーター・デュンダス(Peter Dundas)、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)元「ジバンシィ(GIVENCHY)」クリエイティブ・デザイナー、「ランバン(LANVIN)」のアーティスティック・デザイナー退任後、目立った活動がみられないアルベール・エルバス(Alber Elbaz)など、大きなメゾンに所属していないベテラン勢が候補として挙がっている。
また、サイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)「ジャックムス(JACQUEMUS)」デザイナーや、元「セリーヌ」のデザイン・ディレクターで現在は「ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)」のデザイン・ディレクターを務めるイラリア・イカルディ(Ilaria Icardi)など、若手デザイナーにも注目が集まっており、その他にも、「マルベリー(MULBERRY)」のジョニー・コカ(Johnny Coca)=クリエイティブ・ディレクターの名前もウワサされている。
さらに、「セリーヌ」の情報筋によると、デザイン・ディレクターとしてファイロ=クリエイティブ・ディレクターの側近だったマイケル・ライダー(Michael Rider)にも可能性があるというが、匿名希望のヘッドハンターは「LVMHがナンバー2を起用することはほぼない」と否定的だ。