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2017年の訪日外客数は19.3%増の2869万人に 東アジア4市場で74%を占める

 インバウンドの通称で知られる訪日外客の数が2017年、前年の2404万人に比べて19.3%伸び、2869万人となった。日本政府観光局(JNTO)が年間推計値として発表した。

 調査を行う主要20市場全ての市場で過去最高を記録したのがポイントだ。市場別では、1位の中国が735万人、2位の韓国が714万人、3位の台湾が456万人、4位の香港が223万人となっており、東アジア4市場で訪日外客の74.2%を占める2129万人が訪れた。伸び率も21.9%増と高かった。特に韓国からの観光客は1年間で一気に115万人も増えた。「韓国の外国旅行需要の増加や、相次ぐ格安航空会社(LCC)の新規就航などに伴う座席供給量の拡大を背景に毎月40万~60万人台の訪日が安定して続いた」とJNTO。その他、エリア別では欧米豪で11.3%、東南アジア・インドで10.6%となった。ビザ緩和の影響で、ロシアも前年比40.8%増と大きく伸びている。

 注目なのは、地域別訪日旅行市場の概況に、SNSやインフルエンサーなどに関するコメントが増えている点だ。韓国については、「人気ユーチューバーを起用した動画配信、カカオトークやインスタグラムなどのSNSを活用したPRや、総合オンラインショッピングサイトでの旅行会社との共同キャンペーンなど、多岐にわたる取り組みを通じて、消費者に直接アプローチすることにより、訪日意欲を喚起した」と指摘。98万人増え、735万人で引き続き訪日客数がトップだった中国に関しても、個人旅行の高まりの中で、「『深度游(個別テーマ性のある旅行)』を訴求する広告宣伝や、オンライン・トラベル・エージェントと連携したセールスキャンペーン、インフルエンサーを通じた情報発信などにより、重点地域である昇龍道を中心に地方の魅力を訴求し、より一層のリピーター獲得や、訪日目的の多様化を図った」としている。

 なお、昇龍道とは、富士山を含めた中部・北陸地方(富山・石川・福井・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀)を「龍」に見立てた、日本の中心付近を南北に縦断する観光ルートのこと。ドラゴンルートとも呼び、自然や食、歴史など多様な日本に触れられることや、縁起が良さそうといった理由も重なり、近年注目されている。

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