ストライプインターナショナルは、棚上げしていた上場計画を再開し、今年の秋から冬をめどに東証1部上場を目指す。同社は16年中の上場を計画していたが、将来の事業拡大に向けた複数のM&A(企業の買収・合併)を優先するという理由で延期していた。上場計画を再開するのは、16年から17年にかけて複数の企業に対する資本出資や買収で区切りがついたことに加え、石川康晴・社長はプラットフォーム事業など「新しいビジネスモデルを発表できるめどがついたため」と説明する。
当初、同社は16年中の上場を目指して、同年4月に旧社名のクロスカンパニーを現社名に変更するなど、準備を進めてきた。だが、「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC & ECOLOGY)」など国内ブランド事業に依存しない土台作りを優先させるよう方針を転換。16年秋以降は子供服ECモール運営のスマービー、北海道と東北地方に地盤を持つ婦人服のアルファベットパステルを傘下に収め、仏キツネ・クリエイティブにも出資した。17年にはベトナムの大手アパレルであるネム(NEM)グループのアパレル事業、インドネシアのECモール運営のボボボボ(BOBOBOBO)に出資するなど、国内外で積極的なM&Aを進めた。
業容を広げる中、特にスマービーやレンタルアプリの「メチャカリ」、ボボボボなど他社ブランドも扱うプラットフォーム事業を充実させてきた。昨年9月に中国・上海に開いた新タイプの大型店「アースミュージック&エコロジー トーキョー」も、自社ブランドだけでなく30以上の他社ブランドを扱っている。他社ブランドを含めた新品、レンタル品、中古品を掛け合わせたプラットフォーム事業のために、ITに長けた人材の採用を強化してきた。
石川社長が掲げるのは“第4世代テックアパレル”という新しい企業像だ。「(ユニクロやザラのような)グローバルSPA(製造小売り)が第3世代アパレルだとすれば、そこにITを駆使したプラットフォーム事業を加えてアップデートする。第4世代テックアパレルという目指す像が明確になったからこそ、自信を持って上場に踏み出せる」。
ファッション企業では近年、TOKYOBASEやバロックジャパンリミテッドの上場が話題になった。ストライプは連結売上高が1200億円を超える大手で、足元の業績も好調のため、上場となれば高値が付くことが予想される。