1575年創業の香の老舗メーカーである日本香堂は、日本の伝統的な樹木である和木を使ったフレグランス「キトワ(KITOWA)」を開発した。440年余にわたる伝統的薫香技術をベースに、自社研究室でトップパフューマーが作りだした。「キトワ」とは、古来人々の心を癒してきた樹木に対する“木は永遠”という思いと“和”への願いを込めた名前だ。木とKを掛け合わせたロゴやパッケージなどのデザインはスワデザインスタジオ(SUWA DESIGN STUDIO)のスワミヤが手掛けた。
香りは和木を代表する檜、楠、檜葉の3種類。香水に用いられる高純度のフレグランスをこれら和木の天然オイルにブレンドし、洗練された品位ある香りを作りだした。檜は三重県産のヒノキオイルを配合し、サンダルウッドをアクセントに深みのある香りだ。楠は屋久島産クスノキオイルを使用し、オレンジやグレープフルーツなどの柑橘系の香りをプラスし爽やかに仕上げている。檜葉は青森県産のヒバオイルを配合し、トンカビーンズでかすかな甘みを加えている。日本らしい香水を作ろうと始めたプロジェクトのため、香料の品質や安全性などにもこだわり抜いている。
“ポーセリンディフューザー”は、オリジナルの有田焼で、スティック部は新素材である多孔質セラミックスを使用。インドネシア産などの籐を使用したディフューザーが一般的なのに対し、全てメード・イン・ジャパンにこだわった。形状も他のアイテムとイメージを統一するために、焼き物では困難といわれる四角形のものを作り、スティックは曲がりを防ぐためにはしご状に仕上げている。一見硯のように見える“ポーセリンインセンスプレート”もオリジナルの有田焼だ。香立ての位置は好みで2通りのコーディネートが可能。インセンスの灰の処理がしやすいよう細部にまで気を配っている。これらは肥前吉田焼の窯元による磁器ブランド「224ポーセリン(224 PORCELAIN)」が製作したもので、和の空間にしっくりなじむ上品なデザインだ。
“リフレッシャーミスト”は、ルームフレグランスとしてもリネンウォーターとしても使用することができる。天然保湿オイルを豊富に使用した“バスエッセンス”は、まるで森林浴をしているような至福のバスタイムを約束してくれる。
価格は、“ポーセリンディフューザー”が2万円、“ポーセリンインセンスプレート”が7000円、“インセンススティック”が5000円、“リフレッシャーミスト”が8000円、“バスエッセンス”が5000円。
日本香堂では1月11日、これらを三越銀座店、伊勢丹新宿本店メンズ館、「エストネーション(ESTNATION)」六本木ヒルズ店および、自社オンラインショップで先行発売した。メード・イン・ジャパンの製品に注目が集まっており、欧米の旅行客がまとめ買いしていくようだ。また、アンダーズ東京(ANDAZ TOKYO)のパウダールームでも使用されており、今後は海外の店舗やホテルでの展開も視野に入れている。