中国では、国際的に知名度の高いセレブよりも、中国の有名人を表紙に採用した雑誌の方が売れゆきが良い。また、中国版「エル」や「GQ」「ヴォーグ」など、米国版の翻訳記事からなる外資系媒体でも、読者獲得のために、国内で作成したコンテンツを増やす動きが見られる。
「中国の女性読者の関心は、ファッションや消費だけでなく、豊かで健康的なライフスタイルを確立することに向き始めている。これを念頭に置いて表紙のキャスティングも行なっている。国際的なスターであれ、国内の有名人であれ、美しいだけではなく実力も兼ね備えた人物をたて『ヴォー グ・ウーマン』のありかたを提示しなければならない」とアンジェリカ・チャン中国版「ヴォーグ」編集長は話す。同誌はこれまで、女優のマギー・チャンやチャン・ツィイー、リー・ビンビン、モデルのファン・ビンビンらを表紙に起用してきた。
中国版「マリ・クレール」は、スカーレット・ ヨハンソンやアンジェリーナ・ジョリーなどのハリウッド女優や、中国の演技派女優ジョウ・シュン、人気シンガーのフェイ・ウォンら、各分野で「実力派」と認められる有名人が表紙を飾ると、売り上げ部数が伸びるという。「マリ・クレール」のデン・リー発行人は、「表紙を飾るのは、中国の都会の女性たちになじみのある人物でなければならない。華やかなイメージも重要」と話す。