ロレアル(L’OREAL)の2017年12月通期決算は、売上高が前期比0.7%増の260億2370万ユーロ(約3兆4611億円)、営業利益が同3.0%増の46億7630万ユーロ(約6219億円)、純利益は同15.3%増の35億8550万ユーロ(約4786億円)と増収増益だった。営業利益率は過去最高の18%を記録。現地通貨ベースの売上高は同4.8%増だった。
部門別に見ると、リュクス事業部は、「ランコム(LANCOME)」のスキンケアライン「ジェニフィック(GENIFIQUE)」とメイクアップ「ラプソリュ ルージュ(L’ABSOLU ROUGE)」、そして「イヴ・サンローラン・ボーテ(YVES SAINT LAURENT BEAUTE)」の香水などがヒットした他、「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(GIORGIO ARMANI BEAUTY)」「キールズ(KIEHL'S SINCE 1851)」「イット コスメティクス(IT COSMETICS)」が売り上げをけん引し、売上高が同10.6%増の84億7170万ユーロ(約1兆1267億円)だった。
アクティブ事業部は、ドクターズコスメ「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」「スキンシューティカルズ(SKINCEUTICALS)」がけん引した他、「セラヴィ(CERAVE)」が米国でシェアを広げ、「ヴィシー(VICHY)」が欧州・アジア地域で堅調な伸びを見せるなど、同11.9%増の20億8290万ユーロ(約2770億円)と、初めて20億ユーロ(約2660億円)超えを達成した。
同社最大の売り上げを誇るコンシューマー事業部は、「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX PROFESSIONAL MAKEUP」がグローバル展開で急成長したのに加え、「ロレアル パリ(L'OREAL PARIS)」が展開するクレイマスクやマスカラ「ラッシュ パラダイス(LASH PARADISE)」、ヘアカラー「マジック リタッチ(MAGIC RETOUCH)」などが売り上げを伸ばし、同1.0%増の121億1870万ユーロ(約1兆6117億円)だった。
プロフェッショナル事業部は同1.4%減の33億5040万ユーロ(約4456億円)と停滞したが、下期は米国・アジア地域を筆頭に業績を上げて回復に向かい、「レッドケン(REDKEN)」の基幹ヘアカラーシリーズ「シェーズEQ(SHADES EQ)」の急成長や、ナチュラルヘアケア人気の波に乗った「ケラスターゼ(KERASTASE)」の「オーラボタニカ(AURA BOTANICA)」シリーズの好調などが目立った。
地域別では、アジア太平洋地域の成長が目覚ましい新興市場(中南米、東欧、中東、アフリカを含む)が、同7.5%の105億4780万ユーロ(約1兆4028億円)。北米はビューティ市場が成長を続ける中、従来の小売りが一部振るわず、同3.5%増の73億5050万ユーロ(約9776億円)だった。メイクアップとスキンケアが好調だった欧州は、英国・スペイン・ドイツを中心に堅調に推移し、同1.5%増の81億2530万ユーロ(約1兆806億円)。また、eコマースの売り上げは、同33.6%増の20億ユーロ(約2660億円)に達した。17年に40年目を迎え、業界トップを走るトラベルリテール事業はさらなる強化を図った。
ジャン・ポール・アゴン(Jean-Paul Agon)=ロレアル会長兼最高経営責任者は、「当社の武器は、相乗効果を生み出すユニークなポートフォリオ構成だ。今では年商10億ユーロ(約1330億円)のブランドを8つ擁している。18年もビューティ市場は活気にあふれ、明暗も分かれるだろうが、当社は商品開発力、ブランディング、デジタル革新、そして世界中の優れた社員とそのチームワークを生かしながら、業界のリーダーとして市場シェアを広げ、現地通貨ベースでの大幅な売り上げ増加や収益向上を目指す」と述べた。