「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」など30ブランド以上のアイウエアを手掛けるイタリアの大手アイウエアメーカー、サフィロ(SAFILO)は、ルイザ・デルガド(Luisa Delgado)最高経営責任者(CEO)が2月28日付で退任し、後任としてアンジェロ・トロッキア(Angelo Trocchia)が4月1日付で就任すると発表した。トロッキア新CEOは、イタリア・ナポリの大学でMBA、ローマのラ・サピエンツァ(La Sapienza)大学で航空工学の博士号を取得後、1991年にユニリーバ(UNILEVER)でキャリアをスタート。イタリアやイスラエルの現地法人のトップを歴任した。
この交代劇は、地元ミラノで2月24日から3日間開催される世界最大の国際眼鏡展ミド(MIDO)を目前にひかえた突然の発表だ。
サフィロは、「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」など主力のライセンスブランドが、これらを擁するケリング(KERING)グループ内に設立されたケリング アイウエア(KERING EYEWEAR)に相次いで移ったため、経営方針の転換を余儀なくされており、20年の達成を目標とした新しい経営計画を策定し、全社的な改革を遂行中だ。さらに今年、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)とイタリアの大手アイウエアメーカー、マルコリン(MARCOLIN)が合弁で設立した新会社ティリオス(THELIOS)が始動し、今後もLVMH傘下ブランドのアイウエア事業のサフィロからの移動が予想されている。大きな変化の時期を迎えているイタリアのアイウエア業界で、新CEOのかじ取りが注目される。