J.フロント リテイリング(以下、JFR)傘下でカタログ通販大手の千趣会は、官民ファンドから70億円の出資を受けると発表した。筆頭株主であるJFRが保有する自社株式を買い戻すため、JFRの持分法適用会社からは外れる。ファンドの支援を受け、遅れていたEC事業などの強化で再建を図る。
千趣会が3月30日付で実施する第三者割当増資を官民ファンドの地域中核企業活性化投資事業有限責任組合が引き受ける。その後、JFRが持つ株式22.6%を買い戻す。
JFRと千趣会は15年7月に資本・業務提携を結び、オムニチャネル戦略の推進を掲げてきたが、その成果は大丸松坂屋百貨店とECの双方で展開する婦人服ブランドの開発など一部にとどまってきた。今後も業務提携は継続していくという。
千趣会の17年12月期の連結業績は、純損益が110億円の赤字だった。本業の業績悪化を受けて実施した希望退職者募集が当初計画の2倍以上の134人に達するなど、リストラ費用がかさみ2期ぶりの最終赤字になっていた。