ファッション

三越伊勢丹が漆工房と協業し「いき」を発売

 伊勢丹新宿本店は13日まで、春のオンリー・エムアイキャンペーンで、「マイ・プレシャス・ウィズ・ウルシ~くらしを塗りかえる~」を本館5階センターパーク / ザ・ステージ#5で開催している。江戸時代創業の漆工房・輪島キリモト8代目の桐本滉平と協業して三越伊勢丹新ブランド「いき(IKI)」をスタートし、同キャンペーン中限定で販売している。

 鈴木康之リビング統括部 新宿商品部 キッチンダイニングバイヤーはこのキャンペーンを行う理由について、「昨年、『漆ノ道』というイベントを27人の作家さんと行い、大きな反響があった。さらには、輪島キリモトの7代目桐本泰一氏から、25歳の息子の滉平氏と、漆を学びに来ていたフランス人を紹介されたことで、漆という日本の伝統文化を海外に伝えたい思いと、次世代に伝えたいという思いが芽生えた」と語る。

 そこで今回、輪島キリモトと協業し、漆の器や家具、漆を塗る前の木地販売や、木地に希望の漆塗りを施すオーダー会などを開催。「漆といえば、赤と黒の汁椀と思うだろう。しかし実際は、椅子などの家具もあるということも伝えたい」(鈴木バイヤー)と意気込む。そして、桐本滉平氏と共に伊勢丹の担当者や代理店出身者などが集まったプロジェクトチームを結成し、商品開発から考えた「いき」を誕生させた。

 「いき」は、「2016年4月~17年3月フランスに留学し、漆についてダイレクトに聞かれることに、あらためて漆の良さを実感した。どうやってモノを作っていこうかと考えたとき、漆の持つ性質と良さを全面に打ち出したい、そして誰もがやったことのない切り口でやりたい」(桐本滉平)という思いからスタート。「漆の構造が人肌に近いと言われている」ことから、肌を思わせる色と質感を実現した茶碗や皿などをそろえる。

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