アフリカのアートシーンをけん引し、「赤の都市」の異名を持つモロッコの都市がマラケシュだ。その市内のホテル、ラ・マムーニア(La Mamounia)でアートイベント「1-54 コンテンポラリー アフリカン アート フェア(1-54 Contemporary African Art Fair)」が開催された。今年で6回目の開催となった同イベントは、アフリカ内外からアート界をけん引する17のギャラリー、50組以上のアーティストが集結し、2日間で約4000人が訪れた。イヴ・サンローラン美術館をはじめとする地元の美術館も協賛している。サンローランは、生涯のパートナー、ピエール・ベルジェ(Pierre Berge)とマラケシュに“一目惚れ”し、1980年にマジョレル庭園を購入して保護するなど、この街の観光に寄与している。
そんなアートフェアの来場者のファッションは、会場を彩った数々のアート作品のように、色の使い方はさまざま。素材やパターンをミックスしたスタイルがフォトグラファーの目に多く留まったようだ。三角形のバッグやハンドクラフトのジュエリーなどのアクセサリーで遊び心とアクセントを加えたスタイルが目立った。伝統的なポインテッドトゥのレザーフラットシューズ、バブーシュや伝統衣装のジェラバなど、モロッコの伝統的アイテムと今のトレンドをミックスしたコーディネートも、この都市のファッションの特徴だ。アフリカ大陸といえどその北端に位置するマラケシュは寒暖の差が激しく、意外にも厚着の服装が多かった。
会場となったラ・マムーニアは、12世紀から20世紀まで宮殿だった建物を改築したホテルだ。ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)元イギリス首相や俳優のチャーリー・チャップリン(Charlie Chaplin)などの著名人が訪れている。